【この記事は平成26年9月26日に作成されました】
本日は都内大学で自衛消防隊総合訓練指導でした。
同大学は毎年「災害救援ボランティア講座」に学生を10名前後派遣・受講させています。
今回は職員の方のご相談を受けて、職員対象防災訓練である『自衛消防隊総合訓練』の内容についてのアドバイス、及び当日の指導・講評を担当しました。
総務が中心となって行う訓練で、各部署の職員が参加します。
それぞれの職員は「自衛消防隊」の隊員として、決められたセクションに着席します。総務の担当者が訓練シナリオを読み進めていく途中で「こういう状況になりました。●●班はどのようにしますか」といった状況付与が行われます。
これに対して各班の班長・担当者が「●●班ではこのように対応します」という回答を行い、これを部署横断で職員が確認することにより、災害対応の全容をイメージしてもらうというのが訓練実施の目的です。
シナリオ終了後に、僕から各シナリオや回答における注意点や実際の対応事例等を紹介します。
最後に、大学のある区の担当者、消防署員からの講評があって終了です。
訓練前に「今回の防災訓練(自衛消防隊総合訓練)の目的はどこにあるかを明確にして、参加する職員に理解してもらうことも兼ねて事後にアンケート調査を行い、訓練目的が達成されたかどうか確認したほうがよい」というアドバイスをさせていただきました。
その調査結果は以下のとおりです。
■訓練参加者67名中回答者51名
Q1 大震災時における災害対応の必要性を認識することができたか。
①認識できた 51件(回答者全員)
②認識できない 0件
Q2 災害対応には、既存の自衛消防隊組織を活用すべきか(複数回答あり)
①活用すべき 41件
②他を活用すべき 1件
③スムーズにいくなら何でもよい 12件
Q3 今後の訓練に何を望みますか(複数回答あり)
①学生が主となる帰宅困難者対策訓練をもっと行うべき 23件
②近隣住民のための避難所対応訓練をもっと行うべき 12件
③今回のような複合型訓練でよい 25件
Q1から、まずは防災意識の向上、訓練の必要性ということはご理解いただけたことが分かります。
Q2から、自衛消防隊の意義についてはご理解いただけていることが分かります(それが実際に有効であるかどうかは別の問題ですが・・・)
Q3から、学生主体の訓練の必要性を認識している職員も多いことが分かります。
今回の自衛消防隊総合訓練は、従来の『ペーパー訓練(書類だけ目を通して終わりの形式的なもの)』ではなく、実際の問答も取り入れたという点で、大学にとってもはじめてのことでした。はじめてのことに取り組むのは、個人レベルはもちろん、組織レベルではそう簡単なことではありません。
課題はいろいろありますが、今後につながって欲しいと思います。