「豪雨」についての考え方と避難行動のチェックポイント

※この記事は2014年9月11日に作成されました。平成31(2019年)に新たに「警戒レベル」が追加されましたので 防災気象情報と警戒レベル(気象庁HP) もチェックしてください。

☆気象庁による警報・注意報発令基準はこちら。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/index.html

☆気象庁による特別警報についてはこちら。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/index.html

目次

豪雨について

台風や大雨など、何かと気がかりなニュースも多いこの頃です。今回は”豪雨”についてQ&A形式でご紹介します。

そもそも「豪雨」ってなんですか?

気象庁によれば、豪雨は雨の強さに関する用語です。「著しい災害が発生した顕著な大雨現象」とのことです。雨量で言うと一日に200mm以上などが目安となります。ただ、気象庁ではメディア等で「豪雨」単独の言葉で用いることはない、とされています。「平成27年9月関東・東北豪雨(内閣府,PDF形式)」など災害名で使用されています。

どれくらいの雨(雨量)なの?

ざっくり言えば「1時間あたりの雨量が50から80mm」を超えたら、何らかの被害がつながるような雨量と考えてよいでしょう。その根拠は、全国の地方自治体が雨量の上限を時間あたり50mmで想定しているからです(一部の自治体では60mm以上になっています)。下水設備その他はこの想定に基づくため、時間あたりの雨量が50mmを超えた場合は被害が出る可能性が高くなります。道路や家屋に浸水が始まれば、少なからず被害を受ける方がいます。例えそれが限定された地域でも、その方にとっては「著しい災害」でしょう。

時間雨量がすぐには分からないときはどうしたら?

確かに、外に出ていたらいちいち時間雨量なんか調べてられませんね。「傘がまったく役に立たず、水しぶきで白っぽく見える」くらいの降り方だと時間あたり50mm以上と考えられます。その降り方が30分~1時間続いたとしたら、どこかで被害が出る可能性があります。

本当に被害は出るの?

豪雨による被害は地理や建物の構造、その他に影響されますので、1時間に50mm以上降っていたら必ず被害が出る、とは言い切れません。これは水害被災地での経験則ですが「時間雨量80mm以上ならどこかで被害が出るだろう」というのがひとつのラインです。80mm以上の雨量であれば、特にこれまで水害による被害があったような場所は、被害が出る可能性がより高くなります。

近づく雨雲
こんな雲には要注意!(この後30分ほどして強い雨が降りました)

非常に激しい雨・猛烈な雨に備えるチェックポイント

では、もしあなたが過去に水害の被害がある地域にいて、時間雨量80mm以上の猛烈な雨が降っている、としましょう。逃げられなくなる前にいち早く避難しなさい、ということもあるでしょうし、猛烈な雨をを認識してからの避難は危険だから、家の2階等に留まったほうがいいということもあります。

どちらも正しい場合があります。なので、単純に専門家や本に書いてあることを実行するのではなく「考えて」みましょう。

考えるポイントは次の5つです。なお、自治体から避難指示等が出ている場合は、それに従ってください。

【内閣府 避難準備情報について】
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chousakai/saigaijihinan/4/pdf/sankoushiryou_2.pdf

● 警報や注意報は発表されていますか?
  → 発表されていたら「いつ被害が起きてもおかしくない」と体と気持ちを引き締めて。

● 浸水やがけ崩れの可能性がある場所ですか?
  → 事前にハザードマップ等で確認を!

● 安全な場所(高台避難所、建物の2-3階以上など)は近くにありますか?
  → 在宅避難をする際にもしっかりと確認を。

● 降り始めてから時間は経過していますか?
  → 数時間以上経過していた場合、河川等で急激な水量の増加が想定されます。

● 避難に必要な体力、装備、条件は整っていますか?
  → 在宅介護や体調不良、ケガなど避難が困難な場合はより早い判断が必要です。

それぞれのポイントで「逃げるか」「留まるか」を判断してください。他でもない、あなたの命はあなたが責任を持たなければいけないことです。最終的には、自分で決めなければいけないことです。

・・・そんなこと言われてもわかんないよ!という方は、ぜひ引き続き、気長にこのブログを見ていただければと思います。少しずつ「命を守る」考え方が身に付けられるような記事を書いていきます。

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