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災害ボランティアで被災地へ行きたい方に、考えて欲しいこと[令和2年7月豪雨災害版]

5つの質問で自分の考えややりたことを整理してみましょう。

   

※令和2年7月豪雨を受けて記事内容を更新しました。活動後に対応する関連記事リンクを追記しました。

現在の災害ボランティア募集状況は 全社協 被災地支援・災害ボランティア情報 をご覧ください。本記事は「被災現場へ行こうかどうか迷っている」方向けの記事です。活動予定~活動中~活動後、及び災害ボランティアセンター運営・補助に関する記事は以下の記事でまとめています。

2011年以降、特に大学生等の若者を中心に「災害(救援)ボランティア」活動が各世代に広がっています。東日本大震災で活動した災害ボランティアの人数は、全国社会福祉協議会が把握している方だけでも150万人以上となっています。

「令和2年7月豪雨」でも、新型コロナウイルス対策に配慮しながら、2020年7月7日から7月30日時点で、およそ20,000人のボランティアが活動しています。

○ 活動者数|全国社会福祉協議会

本記事をご覧になっている方も、そのお一人かもしれません。平成30年7月豪雨や令和元年台風15号・19号・21号、そして令和2年7月豪雨災害等の報道を受け、被災地でボランティア活動をしたい、と考えている個人の方も多いと思います。

そんな方々向けに、現地入りする前に考えて欲しいことをまとめました。

感染症の拡大と災害ボランティア活動

2020年7月現在、災害ボランティア活動にも新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響が出ています。具体的には、下記のガイドラインでも紹介されているように『全国的なボランティアの受け入れは行わない(現地の社会福祉協議会の判断による)』ことや『支援者にも感染症予防の知識や対策が求められる』といった点が挙げられます。

○ ガイドライン|JVOAD

当面はこの状況は変わりません。少なくとも個人で県外・遠方から現地で活動することは、何らかのつながりやスキルがない限りは難しいと思われます。一方でボランティアによる支援が被災地域には重要なことは確かです。

どうしても県外・遠方からでも現地で活動したいという方は、上記ガイドラインや本稿をご覧いただき、改めて自分にどんな活動ができるか考えてみてください。2020年7月時点では、個人よりも何らかの団体・組織を経由した活動のほうがスムーズになると思いますので、地元の社会福祉協議会などで一度相談されてみることをおすすめします。

被災地のボランティアとして活躍する人たち

ボランティアが被災地の力になる反面、慣れないボランティア活動や、強い想いから被災地でいろいろなトラブルを起こしてしまう、無理をして体調を崩したりケガをしてしまう、というボランティアも後を絶ちませんでした。これは1995年の阪神・淡路大震災でのボランティア活動の広がりから顕著になったことですが、僕自身が関わったそれ以降の各地の風水害や新潟県中越大震災、東日本大震災、関東・東北豪雨、平成28年熊本地震などの被災地、支援活動のなかでも、程度の差はあれトラブルや体調不良がなかった被災地はありませんでした。

災害ボランティアには、そうした事態が起こり続けている、ということは事実です。ほとんどのボランティアは安全衛生に配慮した活動を行っています。現地できちんと説明を受けて、無理をせずに活動していれば、必要以上にケガやトラブルを恐れる必要はありません。

「(現場での)被災地支援は素人ボランティアにはできないのでは…?」と思われる方も多いのですが、それはごく一部の作業です。また本来的には「素人にはできない」ようなことは「ボランティア活動」として幅広く呼びかけて行うべきではありませんし、災害ボランティアセンターなどでは行っていないはずです。従って、多くのボランティア活動には「未経験の人や、体力に自信がなくてもできる」ものがあります。もっと分かりやすく言えば「被災現場でのボランティアの多数は、中高生から高齢の方まで、ごく普通の人たちによって成り立っている」ということです。

ただし、中高生以下の若年層の活動については注意が必要です。若く体力があるからこそ心身ともに無理をしてしまうこともあります(特に授業や単位が関わると…) 。また免疫の状態や、感染症の種類によって重篤化することもあります。中高生以下が現場にいて、活動を希望する場合は、周囲の大人が必ず安全管理や体調確認、応急手当ができる環境を整え、ケガをしやすい活動はなるべく避けるようにしてください。。

広がった「やってはいけないこと、やるべきこと」

多くが「普通のひとたち」だからこそ、いろいろな課題もあります。そこで、災害支援に平時から携わる人達が中心になって「災害ボランティアの基本的な情報、ルールやマナー、作法」といったものをつくり、それがインターネットやSNSで広がります(下記の別記事もご参照ください)。テレビや新聞、まとめサイト、週刊誌に至るまでたくさんの情報が流れています。それだけ社会的な関心が高まり、また事前の学習や理解が必要とされている、ということです。

組織的な支援活動の仕組みも広がる

2011年の東北地方太平洋沖地震、東日本大震災以降に特徴的なこととして、社会福祉協議会や大学、企業、各種団体、ツアー会社まで、ボランティア希望者を支援する動きが広がったことです。2011年以前からもありましたが、ごく一部の団体に限られ、回数も少ないものでした。活動場所や内容、スケジュール調整、事前のオリエンテーションから保険加入、交通手段確保、必要な装備や活動中の安全管理、報告会などを活動支援の主体(社会福祉協議会や大学等)が行ってくれます。これによって災害ボランティアの”敷居”が下がり、なかなか行けなかった現地に行ける人が増えました。

ボランティア不足って?本当に必要なのかな?

令和元年台風19号では、15号・21号と相次ぐ台風が、特に千葉県内各地での風害(風により屋根が飛ばされる等)と広範囲に浸水被害をもたらしました。支援の輪が広がっていますが、報道では公的な立場の方を含め、いろいろな方から「ボランティア不足」という発言があり、それに対して違和感を感じる方も多いようです。それらも大切な視点です。

ただ、本稿をご覧になる皆さまには、あまり難しいことを考えるよりも今、現実に起きている、支援を必要とされる方、地域に対して「何ができるか」あるいは「何ができないか」を考えていただいたほうが良いかと思います。

災害ボランティア(特に県外市外などから)が必要とされているかどうかは、冒頭リンクの「全国社会福祉協議会災害ボランティア情報」を確認してください。その事実をどう受け止め、考えるかが「災害ボランティアの第一歩」です。

「災害ボランティアは団体や組織に入らないとできない…?」

そのような状況で「やってはいけないこと」集などを見たり、いろいろな団体、NPOやNGOの支援活動を見たりしていると、多くの人に浮かぶ疑問があります。それは「災害ボランティアは団体や組織に入らないとできない…?」という疑問です。結論から言えば、そんなことはまったくありません。たまたまそうした団体は情報を発信しているからよく目に留まるだけであって、前述したように災害ボランティア活動の圧倒的多数は「名も無き個人」によるものなのです。

ですから僕は学生や一般の方から相談を受けた時は次のように説明しています。

現地へ行きたい方に考えて欲しい5つの質問

災害支援に関わる一番大切にして欲しいことは「自分のことは自分で考える」ということです。ボランティア活動は「誰かに言われたから、言われたことをやる」のではなく「自分で必要だと思うから、自ら進んで取り組む」ものです。ただ、難しくあれこれ考えろという意味ではなく、下記に示すようなごく単純な、基本的なことを考えてから行動していただければと思います。

本当に「現地」に行きたいですか。

まず「現地」に行きたいと思うかどうかを考えてみましょう。そして「行きたい」と思うのであれば次の項目へ進んでください。よく考えたらやっぱり難しいかな、でも何かしたいな、と思う方は募金活動や義援金・支援金などで協力することが最も有効です。

現地に行くだけが災害ボランティア、災害支援ではありませんし、優劣をつけるようなことでもありません。まして、他の人と比べるようなことでもありません。他の人は他の人、自分は自分です。ボランティア活動で大切なのは、どんな形であっても自ら【行動】することです。

赤い羽根共同募金 令和2年7月豪雨災害

日本赤十字社 令和2年7月豪雨義援金

Yahoo!基金 令和2年7月大雨災害への緊急災害支援募金

被災地のために、あなたは何ができますか。

筆者も質問されて困るのは「何ができますか」そして「何でもやります」という回答です。「僕は、あなたに何がができるかわかりません」、「何でもできるなら、ぜひお願いします」としか言えません。

体力的に自信がない方は身体的な作業は厳しいでしょうし、あまり人と話すのが得意ではない人に話し相手などは厳しいです。ですから、ある程度は「自分にできること、やりたいこと」は整理し、活動期間に合わせた持ち物はインターネットの情報なども参考にしながら持参します。

何がしたいか、できるかなんて現場に行かなきゃ分からないと思うかもしれませんが、「被災地のニーズ(要望、依頼)に合わせる」ことと「被災地のこと、自分にできることをを考えない」のは別問題です。ただし、希望通りの活動ができるとは限らないことも想定しておきます。

いつからいつまで活動できますか。

夏休み・春休みや連休、土日が多いと思います。ただ、ぜひ知っていただきたいのは「土日や連休、長期休暇時に活動しようと考えている人は日本全国で何万人もいる」ということです。そして同じように「休み明けから仕事や学校に行かなきゃいけない人が、何万人もいる」ということです。ですが、作業は土日や連休だけでどうにかなるものではありません。連休や土日祝日よりも、連休明けや平日といった「人手が明らかに少ないタイミング」が一番ボランティアに来て欲しいときもあります。自分のスケジュールをずらして、現地の状況に合わせ連休明け以降や平日での参加ができないか検討してみてください。

自分の力で現場に行けますか。

スケジュールを考えたら安全を考慮し、無理のない経路と時間で被災地までのルートを探します。方法はいろいろですが、できるだけ現地の交通状況を調べて、行けるところまで公共交通機関を利用します。宿泊先は、活動したいエリアから少し離れた、被害のない(小さい)都市を選びます。よほど装備が整っていない限り、活動エリアから徒歩圏内で宿泊するのは困難です。

自分の力では行けない、という方はボランティアバスツアーなどを探すことになりますが、タイミングは自分で合わせるしかありません。地元市区町村社会福祉協議会に相談(※注意※被災地の社会福祉協議会ではありません!)してみると、情報を提供してもらえるかもしれません。

「活動をやめる勇気」を持てますか。

最後に考えてほしいのは「活動をやめる勇気」です。現地へ行って活動する勇気と同じくらい大切な、それでいて持つことがとても難しい勇気です。ですが、この勇気がなければ、体調を崩したり、ケガをしたりしてしまう可能性が高くなり、被災された方々や、同じ現場で活動するボランティア等に迷惑をかけてしまいます。「活動する勇気と、活動をやめる勇気を、一緒にポケットに入れて、すぐに出せるようにする」ことがポイントです。

「被災地のために何ができるか」の答えを探し続ける

あなたの想いや行動は、きっと被災された方の力になる

災害ボランティア活動に対して周囲でいろいな意見があると思います。もしご家族や友人、身近な人から強い反対があった場合、それを押し切っても行くべきではありません。何か理由があってのことでしょうし、よく話し合ってみましょう。一番身近な人と理解し合うことができない人が、被災された方と落ち着いて向き合えるとは思えません。

自らの意思も固く、周囲の理解も得られるならば「ボランティアや支援の内容・期間に関わらず、あなたの想いや行動は、きっと被災された方の力になることでしょう。もちろん、不注意や不用意から何かトラブルを起こしてしまい、力になるどころか迷惑をかけてしまうかもしれません。ですが、それは誰にでも起き得ることです。

できるだけそうならないよう努力していただきたいのですが、もし万が一何かケガをしたり体調不良になったり、トラブルが起きてしまったときは、隠したりごまかしたりせず、必ず災害ボランティアセンターや活動の責任者等に報告して、対応を確認するようにしましょう。

最後に改めて。被災地へに行きたいと思っている方は、無理のないよう現地の状況と自分の安全に配慮しながら、災害ボランティア活動に取り組んでください。(何度も繰り返しますが、現地の災害ボランティア情報をよく確認し、災害ボランティアセンター等の指示に従って活動してください!)

そして、たとえ思っていたような活動ができなかったり、失敗しても、落ち込んだり、自分の無力さを責めたりする必要はありません。現地の災害ボランティアセンターなど関係者を責めるようなことも避けてください。ゆっくりと休んで、考えて、落ち着いたらまた行動しましょう。

本記事が「何かをしたい」と考えている方々のヒントになれば幸いです。

プリントだけで防災教育シリーズ『次世代防災会議ワークショップ(協力:読売新聞社)』

【リンク】災害ボランティア活動でのケガや体調不良の予防に役立つ資料

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