2023年11月~2024年1月にかけて 朝日小学生新聞 でウルトラマンとコラボレーションした防災コラムを監修させていただいています。本稿で記事内容や画像のご紹介できませんが、これから備えたいという方の参考になればと思い、要点のみご紹介します。
記事全文や画像もご覧になりたい方は 朝日小学生新聞デジタル版 をご利用ください。
なお、本稿は児童生徒に向けて、というよりも保護者の方や教職員、防災教育に携わる方々等を対象としたものです。皆さまの防災教育の一助になれば幸いです。新聞記事ではご紹介できていない、参考ページへのリンクも付けています。該当ページの資料や情報もご参照ください。
主なテーマと要点
各記事での主なテーマと要点をまとめます。
防災マップとハザードマップで地域のことを知っておく
地域の防災マップやハザードマップについての紹介です。
大まかではありますが、各テーマは平時の備えから被災後の対応まで、時系列に沿って紹介しています。最初のテーマにハザードマップ等を選んだのは、防災対策では「変えようがないことに向き合う」ことが大切だからです。
家具転倒防止や備蓄品は個人・家庭・地域の努力で変えていくことができます。ですが、地震で揺れやすい、家屋倒壊や火災危険度が高い、津波や水害・土砂災害の可能性がある、といった地理的条件は変えようがありません。暮らしている地域でどんな危険や特徴、備えがあるのかを知ることから対策は始まります。
防災科学技術研究所が公開している 地域防災Web|防災科学技術研究所 を使うと、自分が住んでいる町の特徴や災害危険度などを見ることができます。ぜひ、この機会にチェックしてみてください。
「警戒レベル」を見聞きしたときの行動を知っておく
台風・大雨時の警戒レベルについての紹介です。台風や大雨による「どのくらいあぶないか」と「どんな行動をすればよいのか」を教えてくれるのが警戒レベルです。
警戒レベル3「高齢者等避難」では、高齢者だけでなく小さな子どもや体の不自由な人など避難に時間がかかる人は避難行動をはじめること、警戒レベル4「避難指示」ではあぶない場所から全員にげること、など要点をわかりやすい言葉で説明しています。
警戒レベルについての詳細は 防災気象情報と警戒レベルとの対応について|気象庁 をご覧ください。
一人の時の地震に備えて、家族で具体的に話し合う
もし自分(児童生徒)が一人でいるときに大きな地震が起きたらどうしたらいいかについて紹介しています。まずは自分で自分の身を守ること、そのあとどう行動したらよいかを家族と事前に話し合っておくことなどを説明しています。
災害用伝言ダイヤル171|NTT東日本 を使う場合は、誰の番号に情報を集めるのか決めておくことや、学校等を集合場所にしている場合は、集まるときの具体的な場所や時間を決めることなどを紹介しています。
断水に備えて水を用意しておく
水は1人1日3リットル必要と言われていますが、3リットルを全て1日で飲むわけではありません。「飲料水」としては1リットル程度、残りは料理や手洗い・歯磨きなどの暮らしに使う水です。
詳しくは 家庭備蓄ポータル|農林水産省 で、水以外の様々な備蓄品のことについて調べられます。また、同サイトでは指導用パワーポイントなど、教職員・防災関係者の方が活用できる資料もダウンロードできますので、ご活用ください。
食品は「ローリングストック」で
続いて食品の備えについての紹介です。「使ったら買い足す”ローリングストック”」や、栄養素を考えた備蓄についても説明しています。こちらも詳しくは上記の農林水産省ページをご参照ください。
停電への備えは灯りやバッテリー、カセットコンロも
停電への備えについては、まず夜間の被災に備えて懐中電灯等を用意することや、スマートフォン等のモバイルバッテリー、温かい食事をとるためのカセットコンロの必要性などを紹介しています。
停電に際しての具体的な備えや対応は 停電対策|東京電力パワーグリッド も合わせてご覧ください。
災害時のトイレの使い方を知っておく
断水や停電によって発生する被害として、トイレが使えなくなることがあります。災害時用の携帯トイレの使い方を家庭で確認しておくことや、避難所で開設される仮設トイレについて訓練に参加して確認しておくことなどを紹介しています。
災害用トイレについては 災害用トイレガイド|日本トイレ研究所 のサイトが大変参考になります。ぜひご覧いただきたいサイトのひとつです。
避難所へ持っていくものは必需品だけでなく、お菓子やおもちゃも
当該記事は令和6年能登半島地震発生後の記事となります。非常用の持ち出しリュックは棚の奥底のほうにあると、特に地震の時や急いでいる時などは取り出すことができないかもしれません。
すぐに持ち出せるようにしておくことや、好きなお菓子、カードゲームなど、少しでも気持ちが楽になる、元気になれるものも入れておくと良いでしょう。
ペットと避難所へ行く時に備えてルール確認と「しつけ」はしっかりと
ペットとの避難では、まず各自治体の避難所等でペットの受け入れがどうなっているのかルールを確認し、そのルールを守ることが大切です。ルールを守れるように「しつけ」をすることや、はぐれてしまった時のための対策をしておくことなどを紹介しています。
ペットの防災対策については ペットの防災 FOR AOMORI のサイトがクイズ形式で分かりやすくまとめられていてオススメです。
災害時の不安はみんな同じ、がまんせずに相談を
最後の回では災害時の心の変化についての紹介です。直接、被災するだけでなく、ニュース映像などを見るだけでも辛かったり、悲しくなったり、不安になってしまったりすることは誰にでもあることです。
がまんをせずに誰かに相談することや、体を動かす、お手伝い、宿題・勉強など「いつもの生活」に近いことをするのがよいことを説明しています。
災害時の心のケアについては ストレス・災害時こころの情報支援センター|国立精神・神経医療研究センター に掲載されている資料や、学校現場では 「大規模災害発生時における学校再開と心のケアハンドブック」について|熊本県 の資料が参考になります。
まとめ
ひとことで防災といっても幅が広く、特に子どもたちに対して何を伝えればいいのか、考えてもらえればいいのか悩まれる先生方、防災関係者の方も多いと思います。朝日小学生新聞記事で紹介した内容は、文量としては少ないですが要点はしっかりまとまっています。
ぜひ関心のある方は紙面(電子版)も含めてご覧いただければ幸いです。