2023年9月、授業を受け持っている都立高校(チャレンジスクール)でオンラインによる語り部講話を実施しました。2022年度に初めて実施しましたが、生徒の反応も良く、振り返りシートから見られる学びや気付きも多かったため、本年度も引き続き実施しました。
本稿ではオンライン語り部さんへのお願いの流れや、授業内容、生徒の感想抜粋などをご紹介します。
語り部さんのお話の内容については本稿では掲載しておりません。関心のある方はぜひ、直接ご依頼いただいてお話を聞いていただければと思います。
南三陸町観光協会様のご協力により実施
オンライン語り部さんは 一般社団法人南三陸町観光協会 様にご協力いただきました。
同協会が行っている 震災語り部講話・オンライン~私が体験した東日本大震災~ から、対象が高校生であることやチャレンジスクールの特性等もご説明し、当時高校生だった語り部さんからお話をいただきました(昨年度に引き続き)。
申し込みの際に、実施の環境などをお伝えするとテーマや対象に合った語り部さんを紹介していただけます。ご依頼・ご相談なども上記のリンクからできますので、関心のある方はお問い合わせください。
震災語り部講話・オンライン ~運営者が語る避難所生活~ では、避難所生活に特化したお話を聴くこともできるそうなので、避難所について学びたいという方はこちらのお話を相談されてみてはいかがでしょうか。
Zoomで接続、45分×2コマのうち約60分を用いて実施
オンライン講話はZoomを用いて行いました。観光協会さんがZoomホストを設定してくださるので、当日は指定のURLからアクセスするだけです。事前に打ち合わせも兼ねた接続テストなども実施していただけるので、各学校・地域・団体等の接続環境などを確認してください。
授業時間は45分×2コマが基本で間に休憩が入りますが、60分通しでお話いただけるよう調整しました(時間配分等はご相談できます)。当日はスライドを使ってお話いただきましたが、お話される語り部さんによって異なるかもしれませんので、そのあたりも確認されると良いかと思います。
生徒の感想・気付き
授業では毎回専用のワークシートを作成しています。今回の授業では
○ 印象に残ったお話、言葉
○ 感想や語り部さんへのお礼の言葉
の2つを書くようなシートにしました。以下、ごく一部ですが生徒の感想・気付きを紹介します。
いざという時に動ける人になれるように、普段から小さなことでも動けるような力がある人になりたいなと思いました。
命の重さ、ありがたみ、大切さを改めて感じさせられました。生きてるからこそ出来ることがあると思い知らされました。今日は大事なお話をありがとうございました。
避難先でのお話から、こういう時こそお互いを思い合い、協力し合うことが大事だと思いました。今日はお話を聴かせてくださり、ありがとうございました。
まとめ ~”体験”を”教訓”へとつなげていくために~
2023年時点の高校生は、東日本大震災当時は保育園くらいの年代です。振り返りシートからも当時のことはほとんど記憶にない、という生徒も多かったです。だからこそ、リアルな当時の話、しかも自分たちと同じ(当時)高校生がどんな体験をして、どんなことを感じたかというのは心に迫るものがあったようです。
「”体験”を”教訓”へ」。
これは筆者がかねてより大切にしていることです。語り部さんの体験・想いを「素晴らしいお話だった」で終わらせることなく、具体的な備えを含む教訓へとつなげることが必要です。
2023年後期は、語り部さんのお話にもあった避難所での対応、生活上の課題に関することを実技体験を通じて学びます。ポイントごとに語り部さんのお話を振り返ることで、体験は教訓へと引き継がれていくものと思います。
本稿をご覧になってオンライン語り部さんをお願いしようかな、と思っている方の参考になれば幸いです。