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上智大学・法政大学での防災教育訓練、学生による心肺蘇生法指導も

1 上智大学で防災講演会(12/5)

上智大学さんでは毎年、部活動で利用する建物での防災訓練が行われています。2010年頃から何度か同訓練内での防災講演会を担当させていただきましたが、震災後「ある程度、防災意識の啓発には協力できた」ということで、しばらく講演会をお引き受けしていませんでした。

本年は久しぶりに直接ご依頼いただいたので「過去の災害に学ぶ首都直下地震への備え」をテーマにお話をさせていただきました。講演内容については下記レジュメにまとめてありますので、ご参照ください。

1.1 講演レジュメ

151205_上智大学防災講演会レジュメ
(クリックすると直接PDF形式で開きますので、必要に応じてパソコン上に保存してください。)

1.2 学生団体、管財課、学生センターとの連携

上智大学には東日本大震災の復興支援活動や防災活動に取り組む学生団体、SVNがあります。これまでも何度かイベントのお手伝いをさせていただいたこともあり、今回もぜひ協力してもらえないかと打診したところ快くお引き受けいただけました。

▶ SVNフェイスブックページ
https://www.facebook.com/Sophia-Volunteer-Network-248212888618868/

一般的に大学における防災訓練を担当するのは総務課や管財課です。安全管理や防災対策の実務はこれらの部署が主に行うためです。一方、防災を含む学生によるボランティア活動は学生生活課や学生センター、ボランティアセンター(上智大学ではボランティアビューロー)などが担当しています。

「それがどうした」と思われるかもしれませんが、実は大学における防災ボランティア活動ではポイントなのです。単純に学生が「防災の普及啓発に取り組むだけ」ならよいのですが、「"大学にいるとき"に被災したら学生は(自発的に)どう行動するか、その時のために学生は何をどう備えるか」ということを考えると、総務課・管財課のラインと学生センターのライン、つまり大学による管理的防災と学生による自発的・ボランティア的防災のラインをまたぐことになります。

経験上、このラインは言うほど楽にまたげるものではありません。少なくとも、在学中の防災について考える学生、総務課・管財課の担当者、学生センターの担当者の3者が連携し取り組まなければなりません。ただ、大学における防災では重要な連携でもあります。今回はそのきっかけを創るという意図も含めてご協力いただきました。すぐにどうこうということでもありませんが、これが次の動きにつながればいいなと思っています。

1.3 アンケート結果の抜粋

訓練・講演会の出欠票を兼ねたアンケートは1~9の段階別評価と印象に残ったこと、自由意見で行われました。厳密な集計はこれから行いますが、概ね7~9を中心とする評価をいただきました。平均値では8ポイント前後になると思います。自由記述の意見は下記に一部抜粋していますが、伝えたいことは伝わったかな、と感じました。アンケートの全文については、記名式となっておりますので公開はできませんが、興味のある方はお知らせください。

  • SVNの活動は知らなかったが、功績として非常によいものだと思うので、もっと宣伝しても良いと思った。
  • 詳しいプレゼンテーション、配布物、またゲームや学生の発表など、様々な方法で非常時にすべきことなど教えて頂きました。近々大きな地震が起こると言われていますが、油断してしまうのが現状です。常に地震のことを意識するのは難しいことですが、いつ地震が来ても大丈夫なように、知識や非常時の準備をしていくことが大切だと思いました。
  • 防災に関わる人間の心理状態を、実験的な内容で説明している点がよかった。
  • 防災講演会はつまらないようなイメージがあったが、かなり多くを学ぶことができた。自分の身の回りの防災状況を確認して、次来る災害のために対策をとっていきたい。想像力をもって、現実にどう対処するか考えたい。
  • 失った命は戻ってこないという、ごくごくあたりまえのことを改めて考え直しました。実際に自分の身にそういうことが起きていないから深く考えたことはないが、そういうことが起きた後は絶対後悔すると思う。後悔しないように準備しておきたい。
  • 今回の講演会を始めは全部しっかりと聞くことができるか分からなかったが、宮崎さんの講演がとても分かりやすく、またゲーム等もまじえたりして具体的な例を出してくれたりしたので最後まで興味深く、しっかりと聞くことができ、また様々な知識を増やすことができました。講演の前と後では、自分の防災に関する考え方が変わり、より深刻に捉えることができるようになりました。今回の講演、とても有意義な時間をすごすことができました。ありがとうございました。
  • とても工夫された講演で、色々と考えながら聞くことができた。なぜ~なのだろうか?という質問が多くて、主体的に考えてきけるようになっていたと思う。災害の被害を忘れてはいけないこと、地震が身近にあり、備えが不可欠であることがわかった。自分の中で災害について自分の問題としてとらえ、部活に対しても今回のことをみんなが主体性を持てるようになるべく伝えたいと思う。
  • 映像やゲームを取り入れて、学生の関心を促進しようという宮崎さんの熱意が伝わった。去年もこの防災講演会に参加したのだが、今年のほうが分かりやすく、メッセージ性が強いものであったと思う。
  • 説明がとても分かりやすく、関心を引き出すものでした。導入で主観的錯視の話をすることで、防災の話に意識が向きやすかったです。身近に起こり得る災害の話や被害想定は現実的で、防災への取り組みの重要性を感じさせられました。災害は起きたその時だけでなく、復興が完了するまでずっと続いていくものであり、日頃の備えをしっかりとすることや起きた時にどうするのかの対応について考えておくことが必要だと改めて思いました。

 

2 法政大学で心肺蘇生法訓練(12/8)

法政大学さんでは、秋季防災訓練ということで教職員対象の心肺蘇生法訓練が行われました。法政大学で復興支援活動や防災活動に取り組む学生団体「チーム・オレンジ」のメンバーが指導員となって行いました。

▶ チーム・オレンジの学生スタッフが防災訓練で救命処置講習を実施しました(法政大学HP)
http://www.hosei.ac.jp/koho/photo/2015/151218.html

2.1 学生が指導する意味

2015-12-08 14.28.35

法政大学さんのホームページにも掲載されていますが、学生が教職員に指導することによって、教職員側にはある種の緊張感も生まれますから、学習効果も民間企業等に依頼するより高いと僕は感じました。「学生では知識や技能の点で不足があるのではないか」と思うかもしれませんが、応急手当普及員の講習を受ける、事前の研修を行うなどしっかりと準備したうえで行っていますので、その点は問題ありません。

もちろん、学生も「自ら指導する」という自覚を持つことで、様々な学びがあります。学生、教職員双方にとって良い刺激が生まれる訓練になりますので、「なんだかウチの大学の訓練はマンネリ化してるな…」と思ったら、ぜひ取り入れていただければと思います。関心のある学生がいれば、事前指導等はお引き受けしますでのお気軽にご相談ください。

2.2 当日の流れ

訓練時間が限られているため、学生による自助・共助・公助の必要性に関する説明、心肺蘇生法の展示→体験、AEDの展示→体験という流れでシンプルに進められました。心肺蘇生法用の訓練人形、AEDトレーナーについては、千代田区及び防災教育普及協会から借りたものを使いました。

事前学習等の経緯については、前述の法政大学ホームページから確認できます。

 

3 これからの大学における防災対策

今回ご紹介した2つの事例、「学生、総務・管財、学生生活課(学生センター)が連携した防災対策」、「防災訓練等への学生の指導的役割による参加」は、これからの大学における防災対策に関わってきます。大学に多数の学生が在校する以上、組織的な防災対策、災害対応は必要になります。教職員だけで対応することが困難な場面は必ず生まれることでしょう。そうしたときに、自発的に行動し教職員とともに災害対応にあたる学生がいるかいないかは、大きな影響を与えます。東日本大震災発災当時も、僕が見た全ての千代田区内の大学で滞留していた学生のうち一部は、帰宅困難者支援などに関わっています。

さらに言えば、今後は地域連携なども重要なキーワードになってきますが、この話題についてはまた改めて投稿したいと思います。

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