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特別支援学校教員研修で初動対応演習を実施

昨年度に引き続き、埼玉県内の特別支援学校での教職員研修を担当させていただきました。学校名については記載しておりませんが、こちらから同校ホームページで演習の様子が紹介されています。

本稿では研修の要点をかいつまんでご紹介します。なお、特別支援学校関係の記事についてはこちらのページからご覧いただけますので、関心のある方は合わせてご覧ください。

目次

実施概要

研修は感染症対策のため小学部・中学部・高等部の先生方がそれぞれ別々の会場に分かれ、オンラインでつなぐ「ハイブリッド形式」で行われました。所要時間は約2時間で、全体の流れは次のとおりです。

○ 座学講義(災害事例と教訓、学校の防災対策)
○ 初動対応演習(前半)
○ 休憩(※休憩時間中に備蓄についての紹介あり)
○ 初動対応演習(後半)

休憩時間中の備蓄紹介は、実際に担当の先生がタブレット端末を持って移動し、備蓄品などを紹介されていました。備蓄されているもの(一部)については、許可をいただいていますので掲載します。

特別支援学校初動対応図上演習展示及び成果物

なお、こちらは事後に児童生徒や保護者の方に見てもらえるように、演習成果物の模造紙と一緒に展示されているものです。

初動対応演習の流れとポイント

初動対応演習は文字通り、発災直後から数時間程度を想定した演習です。いくつかの設問についての対応を話し合い、模造紙にまとめます。設問ごとに解説を行い、次の設問へ、と繰り返します。

先生方にはマニュアルを持参のうえ参加していただきましたが、ほとんど見ている時間はありません。実際に対応するのと同じくらいの時間(数分程度)で対応を検討します。

演習項目

演習で設定した項目の一部と、その要点を紹介します。

【発災直後の状況確認】
最初の演習は、管理職が不在で各班の先生方が学校災害対策本部の要員になった、という想定からスタートします。当該校は市と福祉避難所に関する協定を締結しており、いずれのその対応が必要となりますが、まずは児童生徒や教職員の安全確保、安否確認が最優先です。

それは当然だ、と思われるかもしれませんが、冒頭の「災害事例と教訓」で紹介したある特別支援学校では、避難者がすぐに集まり始め、その対応に追われて児童生徒の安否確認が遅れてしまったという事例がありました。

「臨機応変」に対応するのは重要ですが、やるべきことを確実にやれるようにするためには、具体的なアクションとして整理し「できているかどうか」を確認する必要があります。そうした確認・対応すべき優先順位を確認するための項目です。

【組織的な対応】
教職員の方々にも家庭があり、ずっと災害対応にあたる訳にはいきません。管理職不在という状態ですので、現場の先生方で組織的な対応、労務管理についてコントロールしなければならないという状況に対応するための項目です。

福祉避難所として機能する場合、行政職員の方や他県他校の教職員、福祉関係者等による応援があるまで/あったとしても、負担は大きくなります。特定の先生に負担が集中してしまうことがないように、どのようにしたら負担を軽減できるかを、限られた条件のなかで検討してもらいました。

【スペース区画の検討】
学校施設を福祉避難所として要配慮者を受け入れる場合、あるいは児童生徒・家族、卒業生等が避難してきた場合、そして教職員が一定期間滞在することになった場合に、どの場所をどう使うかについて検討するための項目です。

具体的な区画分けはマニュアルでも示されており、管理職の先生による判断もあるのですが、まずは現場の先生方だけでどうするか、という点について検討してもらいました。

特別支援学校における初動対応図上演習_1

まとめ

昨年度の研修では時系列でのシミュレーションを行い、それを踏まえての演習ではありましたが多くの先生方が異動されています。改めて基本的な部分も含めて確認するような形で進めました。

管理職の先生がいたらどうするか、マニュアルではどう示されているか。まず各先生方が主体的に考えていただく機会として本演習を実施することで、そうした「次のステップ」について考えていくベースになればと思います。

特別支援学校教員研修の様子

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