2017年9月10日(日)、愛知県刈谷市内で発達障害児・者の支援に取り組むNPO法人「ぎふと」主催の防災体験会が開催されました。体験会は保護者が中心となり「発達障害児に避難生活の環境、できること・できないことを体験してもらうことで、少しでも落ち着いて行動できるようになってほしい」という想いから企画されました。
非常食の試食や防災グッズの展示、テントや車中泊の体験、避難所についての紹介などは保護者自ら行い、県内で活動する地域の防災ボランティアの方々に協力いただきました。
(テント泊や車中泊など避難所にいられない場合のことも想定して体験)
6月に行われた講演・シンポジウム(下記ブログ記事)に引き続き企画・運営に協力し「製作コーナー(じゆうあそびコーナー)」を担当しました。入り口近くに設置されたコーナーには、避難所でもすぐに用意できるダンボールや新聞紙などの廃材、家庭にあるガムテープやクレヨンなどを用意しました。
体験中は、子どもたちの言動や保護者との会話から個々の特性を考えて、子どもたちが自分らしく遊べるように支援しました。クレヨンの取り合いでかんしゃくを起こしてしまった子は、少し離れた場所で別の遊びに気持ちを向けたり、落ち着いて作業することが苦手な子には、一緒に身体を動かして遊ぶなどで対応しました。
ベビークレヨンを高く積み上げる、ダンボール箱で秘密基地と銃をつくり敵と戦う、イスの飛び石を渡る、ダンボールブロックを積んでこわすなど、1人1人が違った遊びを楽しむ様子が見られました。
参加保護者の方には、あそびコーナーでの個別支援の状況を伝え「好きな動作(登り降り)が見られたので、イスやダンボールで段差を作ったら落ち着いて遊んでいました。ダンボール箱は対角線に別のダンボールを入れて補強すればイス代わりにもなります。」など、被災時の支援や関わり方について特性に応じたアドバイスをしました。
サポートの防災ボランティアの方々には「発達障害は外見で判断しづらく、親のしつけや教育が悪い、忍耐力がないといった言動が、本人や保護者を精神的にも環境的にも孤立させてしまう場合があります。”ここではこうすべき”といった先入観を取り払って、”ひとりひとりに向き合う”という気持ちを持ってください。支援にはどうしても人手が必要になるので、ボランティアさんの協力は保護者の方にはとても心強いです。」といったコメントを伝えました。
グループや少人数での遊びや作業が難しい場合に、それを「みんながやっているから」、「同じじゃないと変だよ」など強制してしまうと、本人も周囲も負担が大きくなるばかりです。個別支援に限界はあるかもしれませんが、本件のように保護者同士が助け合ったり、地域のボランティアさんが協力してくれることで、誰もが安心して暮らせる社会、そして防災につながります。
◆主催NPO法人のブログでも報告されています。同法人の日々の活動も含めぜひご覧ください◆

在学中からの被災地支援経験を基に、災害救援・防災教育分野での普及啓発を中心に活動。ブログでは実践に基づく情報をお届けします。2男児の父。内容は全て個人の責任に基づくものです。お問い合わせは こちら から