【教材あり】高校で全校生徒を対象に避難誘導をテーマに防災学習

埼玉県内の高校で全校生徒約600名を対象に「避難誘導」をテーマとした防災学習を行いました。限られた指導員の人数で行うワークショップに際して、活用できる教材についてもご紹介します。

目次

ワークショップ実施の環境

1年生が29班、2年生が36班、3年生が25班、合計で90班を体育館に集めて行うという、ワークショップとしては異例とも言えるほどの規模でした(一般的なワークショップの適正人数は30~50人くらいと言われています。班の数では5~10班くらいです)。与えられている時間は挨拶等を含めて1時間30分、講師は僕1人で、サポートでボランティアさんが1人。

体育館でのワークショップの様子
体育館全体を使って行います

ワークショップ(あるいは防災教育)は参加者(この場合は高校生)とファシリテーター(講師)との信頼関係や、意識の共有が重要だと考えています。それができれば、人数が多くてもファシリテーターの顔が見えて声が伝わる位置にいる限り、限られた時間でも学習効果につながる、少なくとも一定の比率の生徒や先生はそう実感できることが分かりました。

事後に行った評価シートの集計結果

生徒自身による自己評価シートの集計結果をPDF形式でダウンロードできます。下記の「ダウンロード」ボタンをクリック・タップすることでファイルを閲覧できます。

具体的に、どのようなプログラム・時間配分・ポイント・教材を使ったのかを公開しますので

● 防災について若者にきちんと伝えたいが良い方法が分からない。
● 生徒に効果的な防災学習をさせたいが、時間や予算に限りがある。
● 大人数(特に中高生などの若者)へのワークショップに不安がある。

といった方々の参考になれば幸いです。なお、教材には便宜上クレジットを入れていますが、削除していただいても構いません。PowerPointやWordが使える方であればご自由に編集していただいても構いません。ご活用ください。

使用教材『学校向け避難誘導シミュレーション』

教材については 下記の記事 からまとめてダウンロードできます。

※自校間取り図使用時は「校庭・校舎・体育館見取り図」「A4白紙×5枚」「付せん(長方形)」を用意

準備・教材印刷

① 学習指導案をご確認ください。適宜、編集していただいて結構です。
② 説明用.pdfをご確認ください。避難所等に関する基礎知識は事前に指導者ご自身で学習願います。
③ 仮想学校図面を使うか、自校図面を使うかご判断ください。
④ ③に応じて【生徒用】の説明資料、【班長用】のリスト、振り返りシートを印刷します。
⑤ 図面を印刷します。
⑥ 班ごとに集合し、説明用.pdfや説明資料に従いシミュレーションを行います。
⑦ 授業終了後に振り返りシートを配付して学習成果を確認します。

指導のポイント・コツ

班の人数は5~7人が適正人数です。班数はあまり関係ありません。集中して聞かせたい場合は、静かになるまで1、2分ほど黙ってください。2回目以降、静かになるスピードが格段に速くなります。避難所に関する知識は、最低限自己学習をお願いしたいと思いますが、あまりなくても構いません。むしろ生徒と一緒に考える、という姿勢でチャレンジしてください。

※状況設定等はあくまで授業用にアレンジしているものです。現実的想定とは異なる場合があります。

まとめ~避難者の多様性と自分にできること、他へつなぐこと~

高校は基本的に「指定避難所」とはなっていませんが、地域の方々からしてみたら安心できる「学校」であり、指定の有無に関わらず避難されてくることも考えられます。まず市区町村側でしっかりと情報提供がされるとは思いますが、それまでの数時間、ないし数日程度は高校も避難所として機能せざるを得ないことがあるかもしれません。

その場合は生徒や教職員の安全確保のため休校や短縮授業となることも想定されます。一部の生徒からは「何か手伝いたい」という声も上がってくることでしょう。実際にそれを認めるかどうかは別として、生徒ひとりひとりが「自分にどんな関わり方ができるか」を考えてもらうのは大切なことかと思います。

避難されてくる方の多様性に目を向けて自分にできることを考えるのはもちろん、自分たち(学校)だけでは対応が難しい場合は、どんな支援が学校・地域にできるのかを考えられるかもポイントです。社会福祉協議会(災害ボランティアセンター)や近隣の福祉施設等と連携できるとより効果的かもしれませんね。

体育館でのワークショップの様子

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次