第3回国連防災世界会議と防災教育の普及

いよいよ開会まで一ヶ月を切った『第3回国連防災世界会議』ですが、そもそも「国連防災世界会議ってなに?」という方も少なくないかと思います。本記事では、国連防災会議についての簡単な解説と僕が関わる防災教育の普及に関するフォーラムについて、ご紹介します。

目次

国連防災世界会議とは

第3回国連防災世界会議仙台開催実行委員会ホームページでは、次のように紹介されています。

国連防災世界会議は、国際的な防災戦略について議論する国連主催※の会議であり、第1回(1994年、於:横浜)、第2回(2005年、於:神戸) の会議とも、日本で開催されています。第2回会議では、2005年から2015年までの国際的な防災の取組指針である「兵庫行動枠組」が策定されるなど、 大きな成果をあげています。

第3回国連防災世界会議では、兵庫行動枠組の後継枠組の策定が行われる予 定です。東日本大震災の被災地である仙台市で本件会議を開催することは、被災地の復興を世界に発信するとともに、防災に関する我が国の経験と知見を国際社 会と共有し、国際貢献を行う重要な機会となります。
(出典:外務省ホームページ)

※国連防災世界会議の開催事務局は、国連総会の決定により、国連組織である国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が務めています。

ざっくりとまとめるなら「世界各地で防災に携わる人たちが集まって、世界的な防災対策について議論して、こんなことをしようね!という行動を決めたりする会議」とでも言いましょうか。

どんなことをやるの?

大きく分けて「本体会議」と「パブリックフォーラム」に分けられます。本体会議は国連が主催となって、各国代表者が世界的な防災対策について議論する場で、関係者のみが参加するものです。パブリックフォーラムは、様々な団体が主催となって、期間中に各地で行うイベントです。こちらは一般参加が可能です。

一般の方は「パブリックフォーラム」から、関心のあるイベントに参加すると考えていただければよいと思います。

パブリックフォーラムそのものは、期間中ものすごい数のイベントが行われていますので、調べるのも一苦労です。上記リンク先から、パブリックフォーラムを検索することができます。テーマ、日程、形式、会場などで検索できますので、関心のあるテーマやスケジュールに併せてご参加いただければと思います。

なお、僕が事務局として関わるパブリックフォーラムは以下のものです。

イベント終了に伴いリンクは削除してあります。ご了承ください。

【3/14(土)9:30-16:50,東北大学『レジリエントな社会構築と防災教育・地域防災力の向上を目指して』

Development of a Resilient Community and Improving Disaster Education and Regional Disaster Preparedness

お申し込みは こちら(国連防災世界会議防災教育日本連絡会) から受け付けています。同時通訳用のレシーバーは数に限りありますので、お早めに。

防災教育の普及に向けて

上記の「レジリエントな~」はイベント名称としては『防災教育国際交流フォーラム』と呼んでいます。詳しくは 防災教育交流国際フォーラムチラシ をクリックしてPDFファイルをダウンロードしてご確認ください。

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こちらのフォーラムには、国内外の防災教育・安全教育の中心的な役割を果たされている先生方や団体などが集まり、実践事例などを中心とした報告をもとに「(防災教育)仙台宣言」をとりまとめることになっています。

防災教育の普及・啓発は東日本大震災前からも課題となっていました。こちらの記事でも少し触れましたが、時間数の確保、防災教育に関するノウハウの不足(特に教育現場に浸透しきれていないこと)などがあり、優れた実践事例はいくつも見られるようになってきたものの、裾野が広がらないという現状がありました。

防災教育交流国際フォーラムの開催、そしての採択と発表は、こうした課題に対して、関係省庁や大学、団体、個人の枠を超えて防災教育の普及啓発と推進に取り組むことを明確に打ち出す機会となります。すぐに解決される課題ではありませんが、学習指導要領の改訂などもあって、少しずつ解決への道を歩んでいくことは間違いありません。

文字通り宣言は国内外の防災教育に関わる団体が集結するオールジャパンの宣言になります。今を生きる、そしてこれからの社会を生きる全ての人たちに必要な「防災教育」のために力を合わせていこう、という強いメッセージが込められた内容になることでしょう。

どのような内容になるかは、ぜひ会場にきてご確認いただきたいと思います。

防災教育を「自分のこと」として考えていただくために

防災教育は、学校の中だけの話ではありません。災害は子どもたちが学校にいないときにも起こります(児童生徒の在学時間をベースに考えると、学校外で被災する可能性のほうが高くなります)。自宅にいれば家族で考えなければならない問題ですし、お店や公共交通機関にとっても子どもたちをどう守るかというのは大きな課題となってきます。

この機会にぜひ防災教育を「自分(たち)のこと」として考えてほしい、と願っています。すぐに防災を誰かに教えろというわけではありません。ただ、自然災害の多い日本という国に生きる一人の人間として、災害の教訓を学ぶこと、伝えることの大切さを、考えていただきたいということです。

3月の国連防災世界会議、そして様々な団体による防災・減災、防災教育の取り組みはこれからの日本の防災に大きな影響を与えることになります。防災に関係のある方はもちろんですが、あまり関係のない方も、この機会に観光も兼ねてご来場いただければ幸いです。

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