依頼を受けて…
白鴎大学のボランティアサークル「UN-UNI(あんゆに)」の学生さんから依頼を受けて、防災講演会を担当させてもらいました。UN-UNIの概要や活動についてはツイッターでご確認ください。
学生団体からの依頼を受けての実施はこれまでもたくさんありますが 法政大学チーム・オレンジ「要援護者体験」のような、UN-UNIで純粋な「講演会」を開催するのは今回が初めてとのこと。
依頼から企画準備まで対応させてもらうなかで「ああ、自分も最初はこんな感じだったな・・・」と懐かしい気持ちになりました。常々こちらのブログでも紹介していますとおり、学生の活動は積極的にサポートしたいという気持ちが強いので、今回の講演会も楽しみにしていました。
学生防災ボランティアの可能性をテーマに
趣旨は「防災講演会」でしたが、詳しくお話を聞いてみると、特に「学生ボランティアとしてこれから何ができるか」ということについて特に聞きたいということだったので講演テーマは【学生防災ボランティアの可能性~未来につなぐ正しい知識と備え】にさせてもらいました。内容は大きく以下のとおりです。
- 災害現場からのメッセージ
- 地震の基礎知識と被害想定
- 私たちにできる助け合い
- 防災教育訓練の大切さ
- (演習)うさぎ一家のぼうさいグッズえらび
- 忘災から防災へ~学生防災ボランティアの可能性~
なお、講演会の後にグループワークとして非常持出グッズを選ぶワークショップを取り入れるということだったので、それにつながるようなお話と演習も入れました。
講演会の様子
講演会を終えて~学生団体へのメッセージ~
講演会の中でも、あるいはそれ以外の場所でも伝えているメッセージがあります。
- 基礎基本を大事にして学び続けよう。「自分が何を知らないのかを知る」ことからはじめよう。
- 感謝の気持ちを常に意識しよう。人のために何かをしようと思えるのは、自分(たち)が誰かに支えられているからだということを、忘れないようにしよう。
- 防災活動に取り組むか取り組まないかは個人の自由だから、例え防災に興味がない人に対しても、強制してはいけない。でも「自分の命、時間をどう使うかは個人の自由だとしても、与えられた命を守ることは家族や友人、大切な人に対する責任だ」ということを伝えて、考えてもらうきっかけをつくろう。
- 目に見える数値や結果にこだわらず、過程を大切にしよう。例え周りに気付かれなくても、楽な道を選ばないよう心掛けよう。「いま」の楽は「いつか」の困難につながるもの。
災害ボランティア活動や復興支援活動は「成果」が目に見えます。なぜなら「相手」がいるからです。具体的な作業があり、活動があり、その結果成果があります。ところが防災(ボランティア)活動は「成果」が目に見えません。「相手」は第三者ではなく、ある意味では「自分自身」だからです。相手がいない活動、成果が見えない活動は実感がわかないものです。特に、大学生の皆さんは4年間という在学期間があります。授業や試験、イベントを考えると、限られた時間で成果を出したいと思う気持ちはよく分かります。
でも、成果ばかりを追い求めていると、課題にぶつかった時に解決できず行き詰まります。なぜなら「成果が出る」活動しかしない、ということは「できることしかしなかかった」ということだからです。「できたこと」の経験は「できないこと」の解決にはあまり役立ちません。その時、力になるのは、その活動の基本、基礎知識です。
これからの学生団体による防災活動
もし、学生団体として防災活動に取り組みたいと思っている方がいたら、キーワードは「大学・地域との連携」だと考えています。防災活動、特に基礎知識を高めるような学習会や研修会、訓練などは「内部の活動」なので、団体としての成果に感じられないかもしれません。そこで、大学や地域との連携を積極的に行い、団体の活動、防災に取り組む意欲を被災地だけでなく学内外に発信して欲しいと思います。
例えば大学が行う防災訓練への参加、ボランティアセンターなどがあればそうしたところと連携したイベントの実施、必要によっては災害発生時のボランティア活動への協力について担当課や教授会等も含めた会議を行うなども考えられます。その延長線上で、大学がある自治体の防災課・危機管理課や社会福祉協議会との接点も持つと良いでしょう。
今回のような講演依頼だけでなく、学生団体として何をすべきかなどのアドバイスは随時承っています。お気軽にご相談ください。