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市民スタッフが災害ボランティアセンター運営訓練、東久留米市

概要

 東久留米市社会福祉協議会(以下「社協」)主催「災害ボランティアセンター市民スタッフ養成講座」を受講した市民スタッフを対象に、フォローアップ講習として『災害ボランティアセンター運営訓練』が行われました。市民スタッフには50名以上の方が登録しており、大規模災害時には社協が開設する災害ボランティアセンター運営のサポート・スタッフとして期待されています。
 これまで、様式や流れを確認することはあっても、全体を通して一連の流れで体験したことはないということでしたので、ご依頼を受けてプログラム型教材『災害ボランティアセンター開設・運営ロールプレイング』を用いた指導を担当しました。
▶ 平成27年度災害ボランティアセンター市民スタッフ養成講座案内(東久留米市社協)

プログラム型教材「災害VC開設・運営RPG」とは

 『災害ボランティアセンター開設・運営ロールプレイング』については下記の記事をご覧ください。各社協で決められているマニュアルや様式に基づく運営を、ボランティアセンタースタッフ役、ボランティア役、被災者役等で配役を行い、可能な限り実戦に近いかたちで訓練するプログラムです。
▶ T市災害ボランティアセンター運営スタッフ講習 2014.10.24

 プログラム型教材としてパッケージングすることで、社協職員の方などが「どうやって訓練するか」について考えたり、検討したりするために必要な時間を大幅に削減することができます。個々の資料や教材は柔軟に対応できるようにしていますので、都合の良い形にアレンジすればどんな地域、場面にも対応できます。
 これは非常に重要なポイントで、訓練や研修そのものはあくまで手段であって、マニュアルの作成や検証、職員や市民スタッフが災害ボランティアセンターについて理解し、被災された方のことを考え運営できるようになることに目的があります。そして、毎回訓練想定や目的、手法をバラバラにしていると、毎回成果目標が変わってしまい「対象者はどこまで理解していて、何ができて、何ができないか」を把握できなくなります。
 故に、僕は「どうやるか」に時間と労力を割くよりも、決められた手法でまずはやってみて、課題の整理や検討、分析に時間と労力を割くほうが効率的だと考えています。

難易度を調整できる「バリエーション」

 通常は3班(スタッフ・ボランティア・被災者)編制で、それぞれの班を1回ずつ体験する3交代制で実施しますが、時間がかなり限られてしまうため訓練スピードが早く、また行うべき作業もかなり多くなるので参加者の負担が大きいという難点があります。
 そこで、難易度を落としたバリエーションを2種類用意しています。

 1つが「シミュレーション」方式です。使うマニュアル、様式、配役は同じですが、交代はせずに最初に割りふられた配役に基づき全員が流れをひとつひとつ確認・共有する方式です。スピードが落ちるので理解しやくすなるのはメリットですが「マニュアルの読み合わせ」的な雰囲気が強くなり、実戦的な経験は得られないのがデメリットです。
 もう1つが「2班交代制」です。配役をスタッフとボランティアだけに留め、被災者役が行う作業(ニーズ登録、派遣されたボランティアへの対応)は省略します。ほとんどの業務を実戦的に訓練できるのはメリットですが、文字通り「被災者不在」になり、ニーズ受付関連は抜け落ち、スタッフやボランティアにとって都合の良い点だけ考えてしまうことがデメリットです。

 今回の訓練では「2班交代制」を採用しました。

訓練の流れ

 訓練は次の写真のタイムテーブルで行いました。黒くなっているのは3班編制で行う場合のタイムテーブルです。

15073001

訓練のようす

 訓練ではおよそ20名の市民スタッフが2班に分かれ、災害ボランティアセンター運営スタッフ役とボランティア役をそれぞれ体験しました。

2015-07-30 21.14.40 2015-07-30 21.14.34

2015-07-30 21.14.30 2015-07-30 21.14.27

2015-07-30 20.16.28 

課題・反省点など

 訓練では「様式の流れが複雑で分かりにくい」などの課題が出ました。2回目のチームは、1回目のチームの反省点を活かして様式の使い方をアレンジし、効率良く動かすことに挑戦したのですが、うまくいきませんでした。
 マニュアルや様式の改善は非常に重要なのですが、ひとつひとつの様式、そしてその様式に基づく流れというのはいわば「歯車」です。それぞれがそれぞれに影響し合いながら、災害ボランティアセンターというひとつのエネルギーを生み出しています。
 「ひとつ様式を変えるだけなら・・・」と思うかもしれませんが、その前後にある様式との関連性や全体の流れに影響することを考えてから変えないと、全体の歯車がうまく回らなくなってしまうことがあります。

 たかが様式程度、と思われるかもしれませんが、本当に現場で事務作業をしたことがある人であれば、「たかが様式」がどれほど大切か、それを途中で変えられることがいかに大変か(面倒か)お分かりいただけるのではないでしょうか。

 細かいことは別として、様式の追加や削除、大きな流れの変更、マニュアルの改訂などを「開設・運営しながら」やっていくことは大きな負担になるため、できるだけ避けたいものです。開設運営してから様式や流れの不備に気付いた、なんてことにならないよう、ぜひ実戦的な流れを想定した訓練に、多くの社協さんでチャレンジしていただきたいと思います。

福祉専門職による災害支援体制づくりへ、東京社会福祉士会

9月1日防災の日と防災ブック「東京防災」配付開始

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