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第42回東南アジア青年の船・日中青年親善交流事業で防災講話と模擬授業

事業概要

2015年11月4日、東京臨海広域防災公園にて、内閣府主催『第42回東南アジア青年の船』テーマ別研修を担当しました。同事業には、東南アジア各国の若者が参加しており、日本だけでなく各国への訪問、研修、ディスカッションなどが行われます。また、翌週11日には『日中青年親善交流』事業の防災講話や質疑も担当させていただきました。

詳細は内閣府のホームページでご覧ください。

◯ 平成27年度「東南アジア青年の船」事業 第42回 概要
◯ 平成27年度「日本・中国青年親善交流」事業 第37回 概要[PDF]

スライド(英語、中国語)やレジュメ(英語、中国語)は下記から閲覧できます。時間配分の都合上、微妙に構成が異なります。また、青年の船版は一部日本語になっています。本ブログでは、講義内容を中心にご紹介させていただきます。

会場は東京臨海広域防災公園で同公園には防災体験学習施設そなエリア東京があり、参加青年たちはそなエリア東京内で体験や施設見学を行いました。およそ40人が参加し、『東京マグニチュード8.0』も視聴しました。

講義概要

東南アジア各国、あるいは中国の様々な分野で活躍することを希望し、また期待されるメンバーです。細かいことよりも、ビジョン、ミッションを示しながらかつ具体的な要素も盛り込んだ内容が必要であろう、と考えました。

第3回国連防災世界会議について

まずはじめに、今年の3月に仙台で行われた第3回国連防災世界会議について紹介しました。大事なポイントとして、次の3つを取り上げました。

  • より良い復興を意識したBuild back better
  • 防災教育を含む、人間中心の予防的アプローチ
  • 年齢や性別、障害等によって排除されることのない、インクルーシブな防災

第3回会議で示されたこれらの重要なポイントに基づき、第4回会議が開催される2030年までの15年間、様々な対策が取り組まれることになります。このポイントの実現のためにも、これからの社会を、世界を担う熱意に溢れた青年、リーダーの力が存在が求められています。

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防災教育の必要性

日本では、今年の9月に発生した関東・東北豪雨により大きな被害が出ました。常総市のハザードマップと、国土地理院による被害把握状況を比較すると、ほぼ一致していることが分かります。ハザードマップなどにより被害を想定すること、つまり災害について知ることは大切です。ですが、ハザードマップをつくるだけでは、適切な避難をしたり、被害を食い止めたりすることはできません。

ハザードマップだけでなく、関連する情報、つまり気象庁による大雨特別警報や、各自治体による避難勧告、避難指示なども正しく理解するための『防災教育』もまた、重要なのです。それを体験的に理解していただくためのじゃんけんゲームも、勝者にはプレゼント付きで挑戦してもらいました。

東日本大震災が起きた時、津波から命を守ることができた子供たちがいました。釜石の出来事と呼ばれています。日頃から、ハザードマップはもちろん、どのように避難すれば良いかを、近くの小学校と共に繰り返し訓練し、学んできました。彼らが命を守ることができたのは奇跡や偶然ではなく、教育の成果でした。

日本の防災教育支援

次に、およそ10年前から取り組まれている日本の防災教育支援についてご紹介します。

ぼうさい甲子園

ぼうさい甲子園は、兵庫県等が中心となって進める、学校や地域で取り組まれている防災教育実践を表彰する取り組みです。一年間で100校以上の学校や地域から申し込みがあります。

◯ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk41/pa17_000000076.html

ぼうさい探検隊マップコンクール

ぼうさい探検隊マップコンクールは、日本損害保険協会による防災マップづくりを各種ツールの提供により支援、表彰する取り組みです。年間でおよそ1,200枚の防災マップが応募されるなど、防災教育プログラムとしては最も普及しているプログラムのひとつと言えます。

◯ https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/reduction/bousai_sp/

防災教育チャレンジプラン

防災教育チャレンジプランは、これから防災教育にチャレンジしようとする学校、地域、団体などを1年間に渡って予算やアドバイスなどで支援する取り組みです。年2回の報告会により、防災教育や安全教育、ボランティアなどの有識者からアドバイスを受けられることが特徴です。

◯ http://www.bosai-study.net/top.html

こうした取り組みにより、日本では優れた防災教育が数多く生まれました。優れた防災教育実践をどのように普及していくかが課題となっています。『地域における防災教育の実践に関する手引き』は、その課題を解決するためにも生まれたテキストです。

◯ 地域における防災教育の実践に関する手引き[PDF]|内閣府(防災担当)

模擬授業

模擬授業体験では、多様な各国の文化、環境に合わせて使える汎用性、分かりやすさを考慮して『目黒巻』と『うさぎ一家の防災グッズえらび』をご紹介させていただきました。日本語での教材については下記記事をご参照ください。

[blogcard url=”https://kenyamiyazaki.com/archives/460″] [blogcard url=”https://kenyamiyazaki.com/archives/461″]

どちらも『〜手引き』に参考教材として紹介されています。今回のために、どちらも英語版と中国語版を作成、公開していますので、英中国語圏の方への防災研修でご利用ください。参加者の皆さんは、初めての災害状況シミュレーションに戸惑いながらも、一生懸命書いてくれました。

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記入後、隣の人と自分が書いた目黒巻について話し合ってもらいました。日本では地震があると机の下に、慌てて動くなと教えられますが、他国の青年からは「すぐに建物から出て走って逃げろって言われてるよ、崩れるから」という話もありました。同じ防災、防災教育でも、その国の文化や価値観が異なると、その内容が変わることがよく分かります。

うさぎ一家の防災グッズえらび(英語版・中国版はこちら)

The Great ShakeOutについて

最後に、世界中で取り組まれている防災訓練-ShakeOut-についてご紹介しました。東南アジア各国、中国ともに地震防災は重要なキーワードです。国民への防災知識、意識の普及啓発のヒントになります。

◯ 日本ShakeOut提唱会議公式サイト
◯ ShakeOut説明資料(個人・家族)[米国サイト]

まとめ

東南アジア、そして中国の青年の方々に防災についてのビジョンや日本での事例、教材などを体験していただく機会を設けていただきました、(一財)青少年国際交流推進センターの皆様に心より感謝申し上げます。本事業に参加された青年の皆様のご活躍を祈念申し上げます。

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