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気象庁ワークショップ「経験したことのない大雨、その時どうする?」【45分版】-研修・授業実施のポイント

気象庁によるワークショップを45分で実施するポイント

気象庁ワークショップ「経験したことのない大雨、その時どうする?」は、気象庁が作成した防災教育教材です。

自らの問題として日頃からの備えや適時適切な防災気象情報の入手とその情報を活用した安全行動を事前にシミュレートする能動的な学習方法

として気象庁が実施したワークショップが、マニュアル化されて公開されています。詳しい解説や教材、マニュアルのダウンロードは下記の気象庁ホームページにてご確認ください。

● 気象庁ワークショップ「経験したことのない大雨 その時どうする?」

また、豪雨災害からの避難行動について考えるワークショップ型教材としては国土防災技術株式会社が開発した「EVAG」もあります。こちらのほうがイラストなどの面で分かりやすいのですが、販売されているので学校教育で使うのは難しいかもしれません。

また、2017年3月には英語版が追加されました。下記の記事からダウンロードができます。

本記事の”ねらい” 

気象庁ワークショップや学校での授業も想定していますが、既存のマニュアルに記載されている90分~120分程度の時間を使って行うことは困難です。学校や地域で実践され、普及していくためには、短時間でも効率的に実施できるような工夫が必要になります。そこで本記事のねらいは『気象庁ワークショップの学修目標を正しく理解し、教員や地域住民が45分間程度に短縮して実施できるようになる』ことにします。

『気象庁ワークショップ45分版』紹介にあたって

本記事で紹介する『気象庁ワークショップ45分版(以下「45分版」)』は、2016年6月26日に実施された『防災ゲームDAY2016そなエリア東京』のワークショップコンテンツとして実施した内容を、教職員・防災関係者向けに再構成したものです。実施の様子は気象庁東京管区気象台の方がビデオ撮影され、実施後に問題なく実施されていたことについてのコメントもいただきました。
イベントでは気象庁ワークショップが想定している3つのステップ(注意報確認時、警報・特別警報確認時、災害発生時)を45分で実施しましたが、初めて実施する場合は2つのステップ(注意報確認時、警報・特別警報確認時)に留めておくほうが丁寧に進められますし、児童生徒等も大事なポイントを確認しやすいです。

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(しっかり記録されてました…)

学習目標の設定

45分版の実施にあたり、学習目標を具体的に設定し、研修・授業の中で確認します。時間をかけてじっくりと議論したり、考えたりすることで学びは深まりますが、本来の気象庁ワークショップで学んで欲しい、考えて欲しいポイントは45分でもしっかりと伝えることは可能です。ワークショップで使用されている教材の趣旨を理解することを考慮し、対象は小学校高学年以上として設定しています。低学年児童向けの実施を検討されている方については、現在低学年児童向けのアレンジを進めています。問い合わせフォームから、ご相談いただければ対応いたします。

教育工学に基づく学習成果の分類について

本記事では学習成果を下記の5分類に準じて整理します。防災教育を実施するにあたって「何を教えたいのか」、「具体的にどんな行動に結び付けたいのか」を分類したものです。こちらで記載しているのはあくまで一例ですので、実際に指導する際の参考としてご利用ください。

kisyougakusyuu

「注意報」、「警報」、「特別警報」の意味が分かる(言語情報)

まず45分版で重視するのは各種気象情報の意味についてです。 気象庁ワークショップ「プレゼンテーション・シナリオ台本」一人版、17pに該当のスライドがあります。それぞれの意味については必ず伝えるようにしてください。また、同資料には実際の大雨による被害の写真や映像、情報の入手方法も掲載されていますので、併せて伝えると効果的です。この部分で概ね10分ほど、時間を使います。
17p

家族構成、家屋の状況、居住地(地理)に応じた安全行動を選択できる(認知的方略)

45分版では、予め各班に指定の地図を配布しておきます。また各班の状況を家族・住宅・場所を指導環境に併せて組み合わせて指定しておきます。例えば児童生徒向けであれば「家族は父・母・姉・私・車あり」、「住宅は3階建て鉄骨マンションの1階」、「場所は川のそば(A)」などです。
班ごとに状況を分けても良いですが、指導内容や学習成果にバラつきが出てきてしまうので、最初は統一した状況で、気象庁ワークショップの運営マニュアルに記載されているのような模範解答を導きやすくしておくと良いでしょう。また、地域の特性に応じた設定をするのも効果的です。

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学習の展開例(指導案)

45分版の展開は大きく2つの段階に分かれます。ベースとなるのは「気象庁ワークショップ」の一人版です。具体的な学習の展開方法については、下記の指導案集に45分版の指導案を追加してあります。リンクをクリックするとExcelファイルでダウンロードできます。うまくダウンロードできない場合はご連絡ください。

第1段階 注意報を確認したとき

第1段階で使う資料は下記の写真のとおりです。児童生徒の発達段階に応じてアレンジすることもできますが、中高校生以上であれば既存のものをそのまま使えます。必要に応じて補足説明や事前学習を行うと効果的です。また、この段階では「避難所」が開設されていないと想定していますので、『避難行動に移る前に、どんな準備をするか』が主な話し合いの内容になります。

第1段階進行・評価のポイント
  • 警報、特別警報をはじめ提供された気象情報の意味を正しく理解しているか。
  • テレビ、ラジオ、インターネット等で情報を得ようとしているか。
  • 避難所が開設されていないことを理解しているか。
  • 避難を始める前の非常持ち出し品や避難経路を確認しているか。
  • 家の周辺(川や山)の状況を、地図から読み取っているか(ハザードマップになっている)。 など
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第2段階 警報・特別警報を確認したとき

第2段階で使う資料は下記のとおりです。情報が非常に多くなりますので、全てを使う必要はありません。警報や特別警報が深刻な事態になり得ることをしっかりと伝え、地理や家族構成、家屋の状況に合わせた避難行動を考えさせます。この時点では『どのタイミングで、どうやって安全な場所に避難するか』が話し合いの中心となります。

第2段階進行・評価のポイント
  • 警報、特別警報をはじめ提供された気象情報の意味を正しく理解しているか。
  • 地図(ハザードマップ)や居住地を意識して避難経路を考えているか。
  • 避難を始める前の非常持ち出し品や避難経路を確認しているか。 など
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(参考)第3段階 災害が発生したとき

気象庁ワークショップの通常版で示されている第3段階では災害発生時の対応を検討します。45分版ではこの段階まで持っていくのは難しいですが、可能であれば取り入れてみるのも良いでしょう。

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まとめ

時間になったら「まとめ」として、各種気象情報の意味や早期避難の大切さ、家族状況や住んでいる場所に合わせた避難行動を予め考えておくことの大切さなどを確認しながら伝えます。通常版ではグループワークやアンケート用紙による学習評価も含まれていますので、時間がある、複数回実施できるという場合は、45分版の実施後に取り入れていただくと学びが深まります。その他、ご不明な点や指導上の注意点、出前授業等をご希望の方がおられましたら、下記からお気軽にお問い合わせください。
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