そなエリア東京で都内大学主催の「災害ボランティア養成講座」が開催されました

東京江東区にある防災体験学習施設「そなエリア東京」で、筆者の母校である立正大学主催の災害ボランティア養成講座が行われました。OBとして、またいち災害ボランティアとして本講座にご協力させていただきました。

そなエリアを活用した講座は、特に首都圏での大地震を想定した学生の安全確保、災害支援や地域貢献等を検討されている大学・教職員、学生の皆さんにとって効果的なプログラムになります。本稿でその特徴やプログラムの一例をご紹介しますので、参考になれば幸いです。

目次

そなエリア東京(東京臨海広域防災公園)とは

国営・都立東京臨海広域防災公園内にある防災体験学習施設が「そなエリア東京」です。詳しくは冒頭のリンクから公式サイトをご覧ください。

「首都直下地震発生から72時間を生き抜く」ことをテーマとした体験型ツアーや、映像視聴、展示資料があるほか、防災グッズや非常食を販売している売店もあります。有料で事前予約が必要ですが、レクチャールームという会議室があり、昨今の状況を考えると1部屋15~20名程度で、3部屋まであります。

常設だけでなく、様々な団体・機関・企業等とコラボしたイベントなども頻繁に行われていますので、気になるイベントに合わせて来館されるのも良いかと思います。また、公園にはバーベキュー場もありますので、バーベキューを楽しむ傍ら、施設を見学される、という方もいるようです。

そなエリアでの災害ボランティア養成講座

講座は大きく3つのテーマに分かれて、1日かけて行われました。それぞれのテーマのポイントについて紹介します。

首都圏災害に備えて大学生にできること~帰宅困難や災害情報の扱いを中心に~

まずはじめに「首都圏災害に備えて大学生にできること」をテーマにお話しました。内容は次のとおりです。

● 災害支援活動の教訓 ~防災・減災の重要性~
● 導入ケースワーク ~こんな時、あなたならどうしますか~
● 想定される災害の被害と特徴、コロナ禍での課題
● 個人・家庭の防災対策
● 教育訓練の大切さ
   ○ グループワーク「災害状況を想像する力を身につけよう」
   ○ 学校・家庭・地域で楽しみながら学べる防災教材紹介
● まとめ

本稿では特に「想定される災害の被害と特徴」、「個人・家庭の防災対策」あたりについて触れておきます。なお、グループワークの教材については上記のリンクまたは関連記事よりダウンロードできますので、併せてご参照ください。

地震災害では「帰宅困難」に備えよう

大学生でひとり暮らしをしていたとしても、自宅にいるのであれば、在宅避難やどうしても生活が難しい場合は避難所に行って支援を受けることなどもできます。ただ「帰宅困難」については課題がたくさんあります。大学にいられれば、まだ少しは安心できるかもしれませんが、本当に出先で被災した、となると大変です。

帰宅困難となった場合、小中学校のような自治体が開設する「避難所」では十分な支援を受けられない可能性があります。避難所の備蓄や支援物資はあくまで地域住民の人口を想定したものであり、例えばある大学の学生が避難所に押し寄せて水や食料を持っていってしまったら、その地域の避難者(市民)が困ってしまいます。

とはいえ、何も支援がなければ帰宅困難者も行動できなくなってしまうので「帰宅支援ステーション」や「帰宅困難者支援施設」といった対策がとられています。そうした基礎知識や具体的なリスク、帰宅困難時の行動、備えておいたほうが良い物などについて紹介しました。

何より、まず「自分が帰宅困難になるかどうか」の判断をしなければならない、というのがポイントになるので、以下の定義に基づき説明し、ナビアプリやGoogleMap等で徒歩帰宅ルートを検索してみるよう、お伝えしました。

自分の体力や持ち物、周囲の被害状況によっても変わりますが、目安として。

災害情報は「だ・い・ふく」と「事実・伝聞・意見」で見極めよう

帰宅困難時はもちろん、その後の被災・避難生活等でも重要になるのが災害情報です。現在の10代~20代の大学生にとって、SNSやLINEをはじめとしたスマートフォン・ベースの情報収集と伝達はごく当たり前の手段となっています。だからこそ、気をつけなければならない点もあります。

「だ・い・ふく」とは、LINEみらい財団による情報防災教育で示されているSNS情報の見極め方の略称です。

だ:誰が言っているの?
い:いつ言っているの?
ふく:複数の情報を確かめた?

この3つを意識することで、SNS情報を見極め正しい情報収集・伝達につなげます。詳しくは上記のリンクから教材をダウンロードできますので、ぜひチェックしてみてください。

「事実・伝聞・意見」とは、本ブログでも繰り返し筆者が強調していますが、災害時のコミュニケーションにおける要点を整理したものです。

事実伝聞整理3つの箱
意見や伝聞を参考にはしても、まず事実の確認を。

前述の「だ・い・ふく」と3つの箱を組み合わせることで、災害情報の収集・伝達の精度が高くなり、より適切な行動へと結びつきやすくなります。災害時にいきなりやろうとしても難しいので、どちらのポイントも日頃の生活の中で意識することをオススメしています。

首都直下地震72時間ツアー体験

お昼を挟んで、受講生の皆さんはそなエリア東京の体験プログラム「東京直下72h TOUR」に参加しました。詳しくは公式サイトでご確認ください。今回は有料ツアーということで、専属ガイドの方がついて体験(そなエリア資料PDF)できる内容となっています。

そなエリア東京体験ツアー前

災害ボランティアの基本

午後には、被災後の支援活動をイメージして「災害ボランティアの基本」についてお話しました。時間の都合上、座学講義のみとなってしまいましたが、本ブログでもたびたびご紹介しているような災害ボランティアの基本的な心構えや安全衛生管理のポイントなどを紹介しました。詳しくはタグ「災害ボランティア」の記事もご参照ください。

“誰も経験したことがない大災害”と向き合うために

首都直下地震にしても、都市部を襲う超大型台風にしても、東京都心部を中心に大規模災害が発生した場合「誰も経験したことのない事態」が起きることが予想されます。その時点では正解の分からない問題もたくさん出てくるはずです。だからこそ、想像すること、考えること、そして備えることが重要になります。

これからの社会を担う大学生の皆さんに、少しでもその機会を多く作っていければと思っています。

そなエリア東京での体験ツアー予約や会場手配なども含めてコーディネートします!関心のある大学・学生団体さんなど、お気軽にお問い合わせください!

そなエリア東京体験ツアー前

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