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“忘れない”と”忘れる”は一緒にできる~東日本大震災発生から10年~

忘れたい人も忘れたくない人も一緒に備えることはできます。

まもなく、2011年3月11日(金)14:46に起きた「東北地方太平洋沖地震」による災害「東日本大震災」の発生から10年となります。大きな節目であると共に、様々な人たちが改めて「震災」と向き合う日となります。

本稿では「”忘れない”と”忘れる”は一緒にできる」という言葉をテーマに、筆者が取り組んでいる活動などをご紹介します。

ひとりひとりが受け止めている3月11日

日本には閣議了解や法律によって定められた『防災に関する日』が3つあります。9月1日と、1月17日、そして11月5日です。

9月1日は「防災の日(及び前後3日を含む7日間が防災週間)」です。1923年9月1日に起きた関東地震に伴う関東大震災にちなんで、1960年に政府によって定められました。

1月17日は「防災とボランティアの日(及び前後3日を含む7日間が防災とボランティア週間)」です。1995年1月17日に起きた兵庫県南部地震に伴う阪神・淡路大震災にちなんで、同年12月に政府によって定められました。

11月5日は「津波防災の日」です。1854年11月5日に起きた安政南海地震と”稲むらの火”という故事にちなんで、2011年の津波対策の推進に関する法律によって定められました。稲むらの火については、和歌山県広川町にある「濱⼝梧陵記念館・津波防災教育センター」サイトなどで詳しく知ることができます。

記載のとおり、それぞれ、政府(閣議了解)や法律によって定められましたが、3月11日はどうでしょうか。実は、今朝のNHKおはようにっぽんでも解説がありましたが、2021年3月11日時点では政府が定める特定の「日」になっていません。

重要なのは「なぜこれほどの大災害にも関わらず政府によって定められていないのか」ということではなく、現状では、3月11日をどのように受け止めるかが、ひとりひとりに任されているという点です。慰霊の日として、あるいは大切な人を想い、災害に備える日として、様々な受け止め方があります。

“忘れない”のかたち

NHK「こころフォト」というサイトがあります。亡くなられた方々へのご家族等からのメッセージが、写真や動画と共に掲載されています。見ていると、震災当時に現場で出会った方々、今もご縁のある方々を思い胸が苦しくなりますが、こうした人に想いを向けた「忘れない」というかたちもあります。

東日本大震災各地の伝承施設をつなぐネットワーク「3.11伝承ロード」という取り組みもあります。施設や遺構を残すことで「忘れない」というかたちもあります。被災された体験や教訓を「忘れない」ために、後世へと伝えていく”語り部(かたりべ)”の活動をされている個人・団体もたくさんあります。

これからも度々、報道や会話の中で「(東日本大震災に関わる出来事を)忘れない」という言葉も出てきますが、そこには様々なかたちがあり、それぞれに想いが込められています。

忘れることも、災害に向き合うかたちのひとつ

一方で「忘れる」ことが良くないことなのか、というとそんなことはありません。忘れたい、忘れようとすることも、災害に向き合い、乗り越えていくために必要なステップだと思います。

忘れないと忘れるという正反対のかたちは、共存することができると思っています。

大切な人を亡くされた方にとっては、とても忘れることなどできません。ですが「遺された人の笑顔が大切な供養になる」というお話もあるように、時には災害のことは忘れ、日常の出来事を楽しむというのも必要なことだと思います。

そして、年に数回だけでも、災害の記憶を振り返って備えを確認したり、訓練をしたりする。それが「”忘れる”と”忘れない”を一緒にできる」ということです。

いつもこうあるべき、こうしなければならないと考えるのではなく「そういう日もあれば、そうでない日もある」と考えると分かりやすいです。

「きっかけ」を自分でつくることの大切さ

「防災の日」や「防災とボランティアの日」、「津波防災の日」は、重要なメモリアルデーですが、誰が決めたのかというと政府や法律です。広い意味では国民の意見によって制定された、と言えなくもありませんが、少なくとも私たちひとりひとりが介在する余地はなく「気がついたらそうなっていた」と言えるでしょう。

そこで3月11日の話に戻りますが、現時点では「日」として制定されていませんが、新たな役割を持たせようという動きがあります。詳しくは下記をご覧ください。


筆者は関係者でもあるので、この活動が良いとも悪いとも本稿では申し上げられませんが、東北地方の方々をはじめ、全国の方々からご賛同の声が挙がっていることだけお伝えしておきます。

3月11日を特定の「日」として定めることによって「まぁ、その日だけ考えればいいか」となるかもしれません。あえて特別にすることではないというご意見もあるかもしれません。前述のとおり、そうしたひとりひとりの受け止め方も含めての3月11日という日です。

3月11日なのか、別の日なのか、あるいは任意のタイミングなのか。私たちひとりひとりが、災害や防災について気持ちを向ける「きっかけ」を、自分でつくること。そして何らかのアクション(訓練や対策の確認、家族での話し合いなど)をとることが大切です。

防災教育と災害支援にできること~教訓と想いをつなぐ~

筆者が関わった具体的なアクションとして、下記をご紹介しておきます。所属法人での取り組みです。

 
従来の防災クイズとは少し変わっていて、全50問というボリュームと、あいことばによる中断・再開、「修行の山」というクリア人数によってイラストが変わっていく要素などがあります。

筆者にとっての「忘れない」とは、被災された方々の声、あのときこうしておけば、あるいはこうしたかったという想いを、科学的根拠に基づく防災教育、あるいは実務経験に基づく災害ボランティア育成という形で未来へつないでいくことです。

そのひとつとして、上記コンテンツをぜひ多くの方々に体験していただければと思います。

もうひとつ「社会福祉士」としてのアクションがあるのですが、こちらは公開された時点で本稿に追記させていただきます。今しばらくお待ちください。

まとめ~当たり前の日々と幸せのかたち~

当たり前の日々のあり方、幸せのかたちも人それぞれです。

どうしたらそれを守ることができるのかを考えるためには、まずそのことに気づく必要があります。

ここまでご覧いただいた方は、日頃から防災や災害支援等に関心のある方々であろうと推察します。そんな皆さんに言うまでもないことですが、改めて身近な方々と「当たり前の日々、幸せのかたち」について、共有してください。それを願いながらも叶わなかった方々がいたこと、それでも懸命に生き続けている方々がいることを思い出してください。

そして災害に備えるきっかけとして、3月11日をはじめ防災に関わる日を、これから先も迎えていただければと思います。

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