社協主催でオンライン災害ボランティア講座~障害当事者の方から学ぶ~

2021年1月~2月にかけて、都区内社協(社会福祉協議会の略)さん主催の「災害ボランティア養成講座」を担当させていただきました。当初は一部会場参加を予定していましたが、緊急事態宣言の発出に伴い完全オンライン形式に変更されました。

本稿では、オンラインによる災害ボランティア講座の内容と、本講座の特徴でもある障害当事者の方から学ぶ災害時要配慮者支援等についてご紹介します。

講座の内容

講座は全3回構成となっており、それぞれ18:30開始20:00終了の90分となります。各回の内容は以下の通りです。

第1回 区の防災対策/防災マップ

第1回目は区の防災対策について区防災課の方からお話がありました。その後、筆者に代わり「防災マップ」をテーマにお話をさせていただきました。

オンラインならではですが、こちら側(講師側)の画面を直接、受講生に見ていただくことができるので、防災マップやハザードマップの細かい点まで確認していただくことができます。

地域によって異なる特徴、想定される被害の特性、様々な施設の役割などをご紹介しました。

第2回 災害時要配慮者支援

第2回目は災害時要配慮者支援をテーマに、車いす利用当事者の方に講師としてご協力いただき、日頃の生活での課題や、災害時に心配なことなどをお話いただきました。

坂道や雪道などは移動が難しいことや、障害者用のトイレが少ないことなどの課題だけではなく「人の優しさに触れられる機会が多い」といったお話も聞くことができました。

その後、筆者に交代しワークショップ「災害時のトイレアクションを考えよう」を行いました。同ワークについては別記事で紹介しています。ワークシート等がダウンロードできますので、興味のある方は併せてご覧ください。

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ワークでは、東日本大震災当時の避難所の仮設トイレの写真を見ながら進めていくのですが

「本当にこんな場面だったら、多分トイレに行けないと思うなぁ…」

という当事者の方の言葉は、参加者の方にも実感を伴って伝わったのではないかと思います。「その人にどんな課題があると思うか」、「どんなお手伝いができるか」を具体的に考えていただきました。

第3回 災害ボランティアケースワーク

第3回では、Zoomの「投票機能」を使って災害ボランティア活動のケースワークと解説を行いました。

  • レンタカーまで手配して仲間と一緒に現地で活動することを予定していたのに、自宅で検温したら微熱(37.2度)があったらどうする?
  • 災害ボランティアセンターが開設される前に、近くの避難所でボランティア活動を申し出たら「(いち職員では)判断できない」と言われたらどうする…?

といったいくつかの場面、タイミングでの問いかけについて回答を投票してもらい、参加者の回答結果を踏まえて解説するという方法で進めました。

まとめ~選択肢を増やしていこう~

災害ボランティア活動に限りませんが、想定外の出来事や、思ってもみなかったような他の人の反応に「どうしたらいいのだろう?」と対応に戸惑うことは誰にでもあります。

講座や研修、訓練などに参加することで知識や経験の「幅」が増えれば、選べる行動の「選択肢」が増えていきます(逆に、選択肢が増えたことによって悩むこともあるかもしれませんが…)。

地域の防災/ハザードマップ、災害時要配慮者のこと、そして災害ボランティア活動について日頃から考えておくことが大切なのは、これまでも、これからも変わることはありません。

オンライン形式という新しい方法で講座や研修、訓練が行われるようになってきていますし、一部の実技を除けばほとんどのことはオンラインでも学ぶことができます。

地元の社協などで災害ボランティアや防災に関するオンライン講座が開催されていましたら、この機会にぜひ参加してみてください。それが皆さんの日頃の、そして災害時のより適切な行動につながる選択肢を増やしてくれるはずです。

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