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“近く”の災害ボランティア、”遠く”の災害ボランティア

先日の成蹊大学での災害ボランティア入門講座の冒頭で「あなたにとって災害ボランティアとは、どんなものですか」という、一見すると入門には見合わぬような抽象的な質問をさせていただきました。

質問の回答を白紙にマーカーで書き出し、近くの人と少しだけ話し合うという時間も作りました。

講座後、質疑応答でこんな質問が出ました。入門講座で伝えたかったことが含まれていたので、ご紹介します。

その質問はこんな感じでした。

「私は災害ボランティアとは、被災地ではない”遠く”から来る人たちのことだと考えていました。でも、こちら(隣席)の方は”近く”の人の助け合いというご意見でした。どう考えればよいでしょうか。」

近くの災害ボランティア、遠くの災害ボランティア。簡単なようで、それだけで一講義できそうなテーマです。回答を簡単にまとめます。

「遠くの災害ボランティアも、近くの災害ボランティアも、どちらも災害ボランティアになり得ます。極端な言い方をすれば“元気(そんな人はいませんが…自分以外のことを考えられる、という意味で)な被災者は誰もが災害ボランティアになり得る“ということです。隣近所の助け合いをボランティアと評するかどうかは別の議論として、距離に関わらず、僕が定義として紹介した“被害を受けた方の生命、人生、生活(=総じてLife)に積極的に関わろうとする人たち“には、含まれます。平時の助け合い・備えと災害ボランティアは密接に関係しています。」

20年前の阪神・淡路大震災でも、隣近所の助け合いは各所で見られました。もっとも早く、確実に被災された方々の力になったのは、同じく被災された方々でした。

ただ、その被災の程度が相対的に軽度であった、それだけの理由で、被害の比較的小さな地域から大きな地域へ、自分たちの家の片付けも放っておいて、どんどん支援に行く「被災地内ボランティア」が大きな力となりました。

もともと、市民活動が盛んであったり、外国人の方も少なくなかったり、社会的な活動の地盤があったというのもあるかもしれませんが、それはまた別の機会のお話ですね。

いずれにせよ、こうした地域内の「近くのボランティア」と広域の「遠くの災害ボランティア」が現地の支えとなったことは、間違いありません。近いか遠いかは関係なく、何のために、何をするかが重要だということです。

課題は、そうした近くのボランティアと遠くのボランティアが、仲良く手をつないで、という場面ばかりではなかったということです。近くは近くで、遠くは遠く同士でもイザコザが少なくありませんでした。

“善意”とは主観的で相対的な考え方です。大事なことは否定しませんが「善意のボランティア活動」を掲げれば誰もが両手を挙げて歓迎、とはいかないものです。

だからこそ、自分にとって災害ボランティアとは何か。他の人は災害ボランティアをどう捉えるか。被災された方のことを想うとは、善意とは何か。を考える機会が大切だと、僕は思います。

その点でとても良い質問を出していただきましたし、ワークをして良かったなと思えました。

ぜひ、このブログをご覧になった方もお考えください。

「あなたにとって災害ボランティアとは、どんなものですか。」

そして、それは他の人にとっても正しいと思いますか。あなたと違う意見の人がいたら、どうしますか。

被災された方や、身近な人が、あなたのボランティアの考え方を受け入れてくれなかったら、どうしますか。

(了)

防災教育はもっとラフに議論されてもいい

災害につよい地域の輪づくり~学校・家庭・地域の繋がりをつくる~

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