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都立公園で防災イベント~親子が楽しめる時間と場所づくり~

都市型災害と公園

都市部における地震災害で大きな課題となる「避難(所)スペース」。特に東京都内は公園や緑地などのオープンスペース(特に平地部分)が限られています。学校・体育館等で収容しきれない方々が都立公園などで一時的に避難・滞在・生活する可能性は高いと考えられます。とはいえ貴重な公共の場、「災害時だから」と何をしてもいいというわけにはいきません。

地域住民と公園管理者(都道府県・市区町村や指定管理者)が、災害時の公園・緑地利用について考える機会があること、多くの方が参加してもらうことが重要だと思っています。そこで本記事では、都立公園での防災イベントを事例に『公園・野外で親子が楽しめる防災』の工夫をご紹介します。

防災キャラバンin六仙公園

2016年12月4日(日)、都立六仙公園(東久留米市)で『防災キャラバンin六仙公園』が開催され、小学生や乳幼児の親子連れや地域住民など500名以上が参加しました。イベント概要については、下記のページをご覧ください。こちらのイベントで「おうちにあるもので防災ピクニック」、「100円ショップでそろう防災グッズ展示」、「わが家の非常持出袋アドバイス」というコンテンツを担当させていただきました。

詳しくは下記サイトでも紹介していますので併せてご覧いただければ幸いです。

親子が楽しめる時間と場所づくりを意識して

企画・提案にあたって意識したことは、広域避難場所として指定されている『公園』という特徴を最大限に活かして、小学生を中心とした子どもたちやその保護者が楽しめる時間と場所をつくることです。

『公園』という場における「楽しみ方」は人それぞれです。お散歩したり、遊具で遊んだり、おいかけっこやかくれんぼをしたり、ピクニックをしたり、落ち葉や枝で遊んだり…。多くの人にとって”いつもの”公園とは「自ら楽しみを創り出す、見つけ出すために」行く場所と行ってもよいでしょう。

利用上の制限はいくつかあるとはいえ『自由にいろんなことができる空間』というのが、公園の特徴だと考えています。その公園で行う防災イベントですから『自由度の高さ』と『災害時の状況(不自由さ)』を組み合わせて、かつ楽しめるようなコンテンツにしたいと思いました。

『ぼうさいピクニック』の小さな工夫

そこで考えたのが『ぼうさいピクニック』です。特別新しいアイデアでもありませんが、防災訓練の企画運営経験、被災地支援の経験や、子どもたちとの関わり、心のケアについてもできる限りの工夫を取り入れました。いくつかご紹介します。

161204_防災キャラバンピクニック

「楽しみ方」を見つけてもらう

「場所」を用意して、その場所で何をして「楽しむ」かは参加者しだい。そんな公園の雰囲気を活かした空間を用意しました。ブルーシート上にあるダンボールやガムテープ、クレヨンなどは自由に使えます。希望する保護者には、ダンボール専用カッターなども貸し出しました。また、参加者自らクレヨンやマーカーを持参してもらい、お気に入りの文具で絵を描いたりして楽しんでもらいました。

写真左の女の子はずっとガムテープを切って貼って遊び、右側の親子はミニチュアダンボールハウス(4LDKくらい)の作成に取り組んでいました。奥の親子連れは自由にお絵かきをしています。

しっかりと観察し、瞬間の「”気付き”を見逃さない」

ダンボールハウスづくりや避難生活上のノウハウを一方的に「教える」のではなく、参加者の行動や発言をしっかりと観察し、よく聴いて、ポイントが出てきた瞬間に「言葉を添える」ことを意識しました。

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写真はダンボールで間仕切りを(自分たちだけで!)つくった3人の子どもたちが「このままだと上から丸見えじゃん!」と言っていたので「見えないように、何かで屋根をつくってみよう」と声をかけて、いろいろ話し合っている場面です。保温シートを被せたり、ダンボールを屋根にしたり…いろいろなアイデアが出ていました。

子どもにかかれば、何でも遊び道具になる

大人の目線で考えれば使いようのないものでも、子どもたちにかかれば遊び道具に変わります。切ったり、描いたり、かぶってみたり、敷いたり、くるまったり、叩いてみたり…五感を使って楽しむ方法は様々です。

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被災時に充分な遊び道具やおもちゃ、文房具がなかったとしても、時間と空間があれば子どもたちが楽しく遊べる場面は創ることができます。イベントで子どもたちがいろいろな工夫をして遊ぶ場面を、保護者や地域住民、防災関係者などに見ていただきました。安全・衛生面での配慮は必要ですが、子どもたちが「自分の好きなことを、自分のペースで、自由にできる」という状況の大切さも伝える工夫をしました。

経費・コストの削減がもたらす効果

このイベントでの指導は僕1人で、安全管理としてもう1人の計2名で行いました。ダンボールは廃ダンボールをご提供いただき、クレヨンなどは参加者に持参してもらう想定で必要最低限の文具のみ準備しました。

防災を身近に感じてもらうためにも「お金をかけなくても、こんな工夫があるんだ」ということを知っていただくのが重要だと考えています。

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100円ショップで揃う防災グッズについて子どもたちと話をしている場面です。「これ家にある!」、「学校でならったよ!」。そんな言葉に「高い防災グッズばかりじゃない。身近にあるものを普段から大切に使おうね。きっと災害が起きた時に役立つものがあるよ」と返しました。

小さな思い出ひとつも大切に扱う

ダンボールでのお絵かきや工作は大切に扱い、展示できるようにアレンジしました。廃ダンボールに描かれたイラストを活用するため、サイズのバランスをとって組み合わせ簡単なパーテーションを作成しました。参加者がつくった小さな思い出ひとつひとつを、最後まで大切に扱いました。

被災してしまった後は辛く、悲しい思い出ばかりかもしれません。そうした状況であっても、気持ちが楽になる思い出、前向きになれる出来事、支えになる言葉があるかもしれません。そんな思い出や出来事、言葉を大切にして欲しいというメッセージも込めて展示・紹介しました。

本記事が、公園・野外、学校等での防災イベントを実施される方の参考になれば幸いです。

Kenya Miyazakiさん(@keny_ms08)が投稿した写真

新潟県『防災教育コーディネーター養成塾(H29年2月~)』開講、3月に東京でも

2016年活動実績

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