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学校防災管理や主体的な学びをキーワードに防災教育研修、オンラインも活用

2021年7月上旬、関東・東北の市区町村教育委員会のご依頼を受けて管理職(校長・園長等)及び学校安全・防災教育担当教員向けの防災教育研修を実施しました。それぞれの研修について簡単に内容をまとめてご報告します。

感染症対策に伴う実施方法の変化

2020年度の教職員研修はほとんどが中止、もしくは動画提供などの形式となることが多かったのですが、2021年度になってからは対面集合形式も増えてきました。今回ご紹介するような一部オンラインを取り入れた「ハイブリッド形式」と呼ばれる方法も増えています。

関東で実施された管理職研修は対面形式で行いましたが、会議室に入る人数を制限するため、別の会議室にビデオカメラの映像をGoogle Meetを使って配信するという方法で行われました。東北で実施された防災・安全担当者向けの研修では、会場では集合形式で、講師(筆者)のみオンラインで参加しました。

研修内容

研修内容は管理職と防災・安全担当者、どちらも基本的に同様の構成ですが、重点的に講義する部分を変更して行いました。

  • 被災された方から学んだこと
  • 相次ぐ自然災害と感染症
  • 学校防災管理のポイント
  • 学校、家庭、地域で助け合う防災教育と教科横断的な取り組み
  • 教材/事例紹介
  • 模擬授業/演習
  • 総括

管理職研修では「防災管理」を重点的に

管理職研修では「学校の防災管理」や「管理職(校長・園長)の役割」などを重点的にお話しました。構成で言うところの「学校防災管理のポイント」あたりです。

学校における危機管理(安全管理)における心構えや、大川小訴訟から学ぶ教訓などについて、具体的なチェック項目なども示しながら確認しました。また、避難訓練の評価についても触れ、児童生徒の行動を確認するだけでなく、教職員自身が適切な行動や指示ができているかを評価することの必要性なども紹介しました。

また、コロナ禍における避難行動、避難所運営についても、実例などを交えながら紹介しました。避難行動では生命を守るための「生存避難」と、暮らしを守るための「生活避難」を分けて考えること、在宅避難や保健衛生の重要性についての理解を児童生徒や保護者、地域住民に防災教育や訓練等を通じて伝えることなどをお伝えしました。

いずれも進めていくためには管理職によるリーダーシップが重要であることも強調しました。

防災・安全担当者研修では「主体的な学び」を重点的に

防災・安全担当者研修では「主体的な学び」をキーワードとしました。構成だと「学校・家庭・地域で助け合う防災教育と教科横断的な取り組み」や「教材/事例紹介」のあたりです。

児童生徒が「主体的に学ぶ」ようになるためには、どのようなアプローチが必要なのかを、実際に筆者が小学校4~6年生を対象に実施した防災教育の事例を紹介しました。

実際の授業に取り組む前に、導入として児童生徒の日々の暮らしを振り返り「たからもの」を書いてもらう、というものです。もし災害で「たからもの」がなくなったらどんな気持ちになるか、自分や他の人の「たからもの」を守るために、どんな備えが必要と思うか、といったことも考えてもらいます。

強調したのは「防災教育で何をやるかは教えられても、なぜやるべきかを教えることはとても難しい。主体的な学びのベースとなる”動機”を見つけ出す工夫や、きっかけづくりが重要」という点です。生命や家族など一般的に”守るべき”ものが必ずしも全ての児童生徒にとっての動機となるわけではありません。先の導入は単に「取り組みやすくする」というだけでなく、多様な生活様式、価値観に寄り添った伝え方をしていく必要があると考え行っています。

模擬授業・演習は個人~少数でもできる教材を利用

どちらの研修でも「模擬授業/演習」では、以下の教材を使用しました。プリントだけで実施できるため、個人や隣りの人同士など少数でも使える教材です。詳しくは記事をご覧ください。

管理職の方々には、教職員や児童生徒への指示や行政との連携をどのように進めていくか、避難所運営をどうするかなどを考えてもらうきっかけとしました。教職員の方々には、災害時の状況を考えてもらうのはもちろんですが、ご自身にとっての「たからもの」を守るにはどう行動したらいいかを考えてもらうきっかけとしました。

  

まとめ

東日本大震災の発生から10年が経過し、防災教育は一定の広がりを見せています。その一方で、風水害や土砂災害など、児童生徒だけでなく教職員、そして社会全体が改めて学び、備えなければならない課題もあります。

学校としてどう備えるかという「防災管理」、そして学校教育の場だけでなく、家庭や地域でも積極的に防災に取り組む姿勢や能力を育てていく「主体的な学び」。これらは今までも重視されてきましたが、今後さらに具体的な形で進めていくことが求められています。

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