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【資料公開】要援護者支援の基本を体験するための防災プログラム


横浜市民防災センター主催「平成30年度防センアカデミー テーマD要援護者支援」を担当させていただきました。昨年10月と今月の2回、同じ内容で実施しました。前回の状況はこちらの記事 をご覧ください。

ネタバレになってしまうので、昨年時点では公開できませんでしたが、先日第2回目も終わりましたので資料を公開します。併せて、本年度防災アカデミーの趣旨や、取り上げた3つの防災ゲーム(ワークショップ)の補足もしておきます。

一部の被災地写真や教材は、著作権の都合上表示されていませんので、ご了承ください。詳しく知りたい方はお手数ですが お問い合わせフォーム  からご相談ください。

防センアカデミーについて

今年度防災アカデミーについては下記のチラシ、リンクをご覧ください。本年度は、より多くの方に気軽に参加してほしい、という防災センター側のご要望もあり、細かい事例やテクニックではなく誰でも楽しみながらテーマについて考えられるように工夫しました。

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資料の閲覧・ダウンロード

資料はSlideShareで閲覧、ダウンロードができます。また、下記をクリックすると、PDFファイルをダウンロードできます。


防災ゲーム(ワークショップ)の内容

本研修では、小学生くらいの子供たちでも無理なく参加できるよう1回40分くらいのゲームを3つ用意しました。それぞれについてご紹介します。

自分と他者の”ちがい”を知る

最初のゲームは、自己紹介やアイスブレイクを兼ねて行います。まず自分にとって大切なものを書いてもらい、順番に他の人に伝えます。他の人はどうしてそれが大切なのか、お話を聞いて考えます。

その後、もしその大切にしている何かが失われた時、その人がどんな気持ちになるかを考え、自分にできることを伝えます。

ひとりひとり大切にしているものは違うこと。誰かの力になるためには、相手が何を大切にしているかを知ること。その上で、自分にできることを伝えること。

シンプルですが、まず知ってほしい要援護者支援の基本です。関わる人を「お年寄りだから」「障害者だから」「○○だから」と決めつけず、ひとりの人として向き合い考える、ということに気付いていただければと思います。

生活と環境の”ちがい”を知る

2つ目のゲームはよくあるアイマスクや耳栓、車椅子、妊婦体験キット、乳幼児人形などを用います。ただ、これらのキットを体験するだけでなく、装着した状態で、災害時に想定される課題と解決策のディスカッションをしてもらいます。

画面で写真を見せて、その写真についての意見交換をしてもらうのですが、例えばアイマスクをされている方は写真の状況が分かりません。耳栓をされている方は、うまく話が聞き取れません。車椅子の方、妊婦・乳幼児連れの方もそれぞれの立場で意見交換します。

重度の障害等があっても、家族や周囲の支援、慣れ等によって日常生活を自力でこなすことができる方もいます。重要なのは「要援護」とは、個人の問題ではなく、環境の問題であると気付くことです。そして、多くの場合環境とは個人の努力でどうにかなるものではありません。気づいた人、周囲の人が変えていくことによって、誰もが安心して生活(避難行動や避難生活を含めて)することができます。

私の思いやり防災アクションを考える

3つ目のゲームは、助けが必要と思われる方に対して、具体的な行動=「私の思いやり防災アクション」を考えるものです。浸水被害や土砂災害が想定される仮想の街の地図と、様々な生活スタイルで暮らす登場人物を示すカードを使います。

各班に地図、カード、そしてアクションを記録するためのワークシートを配布します。台風の接近に伴い警報が発令された、という状況で「もし皆さんの知り合いやご近所に登場人物のような人がいたら、あなたはどんな防災アクションをとりますか。」と問いかけ、考えてもらいます。

最後のポイントは「行動する」大切さを知るということです。要援護者支援は難しい、私には無理で終わらせるのではなく、どんなことでもいいから、誰かのために、具体的なアクションを起こそう!というメッセージが伝わればと思います。

参加者の感想

参加者の感想の一部をご紹介します。

  • 防災とは大切なもの守りたいものに気づくことだと思った。
  • 自分の地域の避難場所の確認や状況を知っておこうと思った。みなさんの意見をきき、避難時に備えておいた方がいいことや、先生のお話から自分のできることを考えていくことができた。
  • 障害者により沿う気持が重要だと判りました。
  • 要援護の講座はもっと、スキル的なことを学ぶと思っていましたが、「何を大切にしているか」=共感という所からの考え方がすごく勉強なりました。
  • 災害時の要配慮者に対するトイレサポートについて考えたのがとても良かった。

きっと誰にでもできることがある。たとえそれがどんなに小さなことでも。

筆者が上記3つのゲームを通じて一番伝えたいのは、このメッセージです。

誰にでも”ちがい”と大切なものがあることを忘れずに。人ではなく環境を変える方法を考えて、自分にできることを、できる範囲で行動を。誰にでも、誰かのためにできることがあります。たとえそれが、どんなに小さなことでも。

「要援護者支援」とは、専門的スキルをもった方々による、高度な支援や行政施策のことだけではなく、ごく自然な、人と人との関わり合い、助け合いの延長線にあるものだと思っています。

本資料が、要援護者支援を自分のこととして考えるきっかけになることを願います。

区立中学校教育研究会で防災教育研修、教材を体験|豊島区

【資料公開】横浜市民防災センター「平成30年度防センアカデミー」テーマD要援護者支援

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